恋愛にも結婚にも家族にも、人の数だけ形があります。固定概念やバイアスを振り払って、自分らしい生き方・在り方を探してみませんか? この連載では、さまざまな人が織りなす恋愛、結婚、家族の形をお届けします。今回は、2016年10月に築地本願寺で同性同士の結婚式を挙げてパートナーと夫夫(ふうふ)になり、現在は東京と山梨の二拠点でLGBTの理解促進や支援活動を行っている七崎良輔さんに話を聞きました。
(上)七崎良輔 友人にゲイだと告げ「つらかったと気づいた」 ←今回はここ
(下)七崎良輔 「ゲイとして家庭を築き最強に幸せに生きる」
気の迷いかもしれない…思春期の葛藤
編集部(以下、――) 七崎さんがゲイだと自認したのは、高校卒業後、専門学校に通っていたときですよね?
七崎良輔さん(以下、七崎) はい。自分で認めたのは19歳の頃ですが、小学生のときに女の子っぽいと言われ、「オカマ」と呼ばれていじめられていたので、周りの人と自分は何かが違うと思っていました。
思春期になると、男性にドキドキするようになりましたが、だからといって、「自分はゲイだ」とすぐに結びつくわけではなくて。「男性は女性を好きになり、女性は男性を好きになる」という思い込みが根深かったので、「この人のことだが好きだ」という気持ちには気づいていても、「男性である自分が男の人を好きになるのは何かの間違いだ。気の迷いかもしれない」と思って、ずっと葛藤していました。
「ゲイかもしれない」と気づくことと、「自分はゲイだ」と認めることは違うんですよね。私の場合は、当時好きだった男性の彼女に嫉妬したり、女性を好きになろうとしてもできなかったりして、自分がゲイだと認めざるを得なくなりました。そうした葛藤を誰にも話せなかったので、自分にも人にも嘘をついて生きることに、限界を感じたんです。
―― 認めたことで、何か心境の変化はありましたか?