この3ケース、全部「就労時間」です!

1.制服着用の職場

「制服着用の職場です。就業時間にはきちんと制服を着て、持ち場に就くことが求められます」

…着替えなどの準備も「就労時間」に含まれる。「早く来るよう会社が命じることは可能ですが、それは早出残業となります」

2.始業前の朝礼

「始業前の15分間、全員が必ず出席しなければならない朝礼が行われています」

…上司や会社の指示で行われている場合、朝礼の時間も就労時間に該当。「残業代を払うか、その分、早く退社できるのが本来のルール」

3.出社前のメールチェック

「満員電車を避けて1時間前に出社。メールチェックなど、始業前に片づけたい仕事をします」

…自分の都合で早く出社している場合でも、仕事をしている限りは就労時間に当たる。「早出残業になり、残業代の対象となります」

要注意「新しい働き方」がサービス残業の温床になる
 「新しい働き方」とされるフレックスタイム制や裁量労働制だが、サービス残業や長時間労働が見えにくくなるリスクも。「自覚がないまま違法な働き方を強いられていることもあるので注意」

違法状態の職場とは、こう戦う!

⇒労働組合に加入、会社と団体交渉
 労働時間に応じた残業代が支払われていないなど、違法な働き方を強いられている場合は、労働組合を通じて交渉を。「自社に労働組合がない場合は、1人でも入れる労働組合(ユニオン)を通じて要求を伝えましょう」

嶋﨑 量(ちから)
弁護士
嶋﨑 量(ちから) 神奈川総合法律事務所所属。日本労働弁護団常任幹事を務め、主に働く人や労働組合の権利を守るために活動する。著書に『5年たったら正社員!?―無期転換のためのワークルール』(旬報社)など。

取材・文/工藤花衣 イメージ写真/PIXTA