非正規雇用の場合

⇒労働契約法の雇い止め法理で守られている

 派遣社員や契約社員、パートなどで契約期間が定まっている場合は労働契約法によって、雇い止めや不合理な労働条件が禁じられている。「契約書に『更新については会社側が決定する』とある場合でも、法律が優先されます」

1. 「雇い止め」の禁止

 何度も契約が更新されている、正社員と変わらない仕事をしているなど、「次も契約される」と期待を持たせる働き方をしてきた有期契約の社員については、企業から一方的に「次は契約しない」とは言えない。

2. 不合理な労働条件の禁止

 正社員は社員食堂を使えるのに契約社員は使えないなど、「合理的ではない」規則がある場合は、廃止を求められる。交通費や手当などに適用されることもある。

無期契約への転換

 雇い止め法理とは異なる制度ではあるが、契約を更新しながら、5年以上同じ職場で働き続けている場合、働く側からの申し入れで、契約期間のない「無期雇用」に転換できる制度も。

こんなときは、泣き寝入りしない!

1)有期契約終了時に「社員登用試験」を受けるように言われ、落ちたら契約が終了となった
社員登用試験を受けるよう、会社が命じること自体は合法。「ただし、自由に契約を打ち切れるわけでなく、無期転換に転じる権利は残ります」

2)契約終了の30日前に「次の契約は更新しない」と一方的に通知された
「契約の終了は『言ったもの勝ち』ではありません。何度もほぼ自動で更新し続けたなど、次の契約も期待させる事実があれば、まずは専門家に相談を」

派遣社員の「東京五輪問題」に備える
 五輪期間中など、会社側の都合で出勤日が減り、収入が少なくなった場合は、派遣会社が補償しなければならない場合も。「契約によって異なるので、前もって派遣会社に確認を」
嶋﨑 量(ちから)
弁護士
嶋﨑 量(ちから) 神奈川総合法律事務所所属。日本労働弁護団常任幹事を務め、主に働く人や労働組合の権利を守るために活動する。著書に『5年たったら正社員!?―無期転換のためのワークルール』(旬報社)など。

取材・文/工藤花衣 イメージ写真/PIXTA

日経WOMAN2019年11月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります