無期転換権の行使には証拠を残そう

 有期労働契約が繰り返し更新され、通算5年を超えた場合、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期契約)に転換できる。労働者が権利を行使した場合、基本的に使用者から拒否はできない。契約は無期になるが、「正社員転換」ではない。

<契約社員など直接雇用の場合>
今働いている、雇われている会社で無期雇用に転換できる。契約社員や嘱託社員だけでなく、パートタイムやアルバイトも対象に。

<派遣社員の場合>
派遣元である派遣会社との無期契約になる。同じ派遣先で働き続けたい場合は、無期転換してから、派遣先への交渉が必要になる。

 「権利が発生した労働者が申し込めば、基本的に、次の契約からは自動的に無期雇用に。申し込んだ証拠を残すため、メールかFAXで書面を提出すると安心

【ここから参考様式をダウンロードできます】
厚生労働省のホームページで、検索で「労働契約法改正のあらまし」のページを出し、「参考様式 無期労働契約転換申込書・受理通知書の様式例」をクリック。

非正規&派遣社員お悩みQ&A

Q. 「雇い止め」になってしまうのが心配です…

A. 各地のユニオンや弁護士会に相談を
「長く働いていれば、非正規でも雇い止めは原則的に禁止です。ただ、交渉の仕方もあるので、権利行使の前に、各都道府県の弁護士会や労働組合、ユニオンで相談するのがオススメ」

Q. 権利の行使で会社にいづらくなりそう…

A. 仕事に慣れた人に長く働いてほしい企業も多い
「大手金融会社や旅行会社などでは、積極的に無期雇用への転換が進められています。将来の人手不足に向け、人材確保は多くの会社で課題。自信を持ちましょう!」

嶋崎 量
神奈川総合法律事務所 弁護士
嶋崎 量 1975年生まれ。日本労働弁護団常任幹事、ブラック企業プロジェクト事務局長、反貧困ネットワーク神奈川幹事なども兼任。著書に『5年経ったら正社員!? 無期転換のためのワークルール』(旬報社)などがある。

取材・文/岸本洋美

日経WOMAN2018年12月号掲載記事を再構成

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