収入の範囲でやりくりできる金銭感覚と、頼れる人をたくさん持つことがマスト! 「離婚の予定」がなくても、日常的に意識してほしい。女性の貧困につながるといわれる雇用と離婚のリスクについて、専門家の話を聞きました。

 日経WOMANの読者投稿欄に、毎月寄せられるシングルマザーの声。「子供と頑張っています!」という前向きな人もいれば、「収入が少なく、将来が不安」という悩みもある。

 「離婚によるダメージは、男性より女性のほうが大きい」と話すのは、司法書士の太田垣章子(あやこ)さん。「出産後にキャリアダウンしているケースが多く、子育てと両立しながら家計を支えるのが難しくなりがちです」。

 エッセイストの紫原(しはら)明子さんは、「結婚に失敗したという負い目や、子供のために頑張らなければという気負いで、自分自身を精神的に追い詰めてしまう人も多い」と指摘。「結果的に、親も子供もストレスがたまってしまいます」

私たちも離婚&シングルマザー経験者です!

 実は、紫原さんと太田垣さんも離婚を経たシングルマザーだ。2人が声をそろえるのが「周りの人を頼ること」。

 「子育てが大変な時期は、必ず終わります。そのときに恩返しする気持ちで、周囲に甘え、助けてもらいましょう」(太田垣さん)。「古い友達や仕事仲間、ママ友との交流など、結婚後も人とのつながりを維持すること。そして、いざというときには弱音を吐いて!」(紫原さん)。

エッセイスト 紫原明子さん
長男16歳と長女13歳のシングルマザー。高校卒業後、音楽学校在学中に18歳で起業家の家入一真氏と結婚。31歳で離婚して、2児を育てるシングルマザーになる。著書に『家族無計画』(朝日出版社)、『りこんのこども』(マガジンハウス)などがある。
章(あや)司法書士事務所 代表司法書士 太田垣章子さん
長男25歳のシングルマザー。30歳で離婚後、仕事、子育てと並行で勉強し、司法書士に。大阪の司法書士事務所を経て、40歳で独立。近著に『家賃滞納という貧困』『老後に住める家がない!』(ともにポプラ社)など。