コールセンター勤務歴十数年、滞納者に督促を行ってきた体験などをコミックエッセイに描いている榎本まみさん。取引先からの理不尽なクレームや、上司のセクハラ発言を「ノート」にまとめることで、トップオペレーターに成長したのだそう。一体どんなノートなのでしょうか?

怒る相手に対応するプロの「書き技」

 新卒時から現在まで十数年、コールセンターで働き、滞納者に督促を行ってきた体験などを、コミックエッセイに描く榎本まみさん。

コールセンター勤務歴十数年「督促OL」こと
榎本まみさん(30代)

 新人時代、理不尽なクレームに心を病む寸前だった彼女を変えたのが、客の罵詈雑言を日々集める悪口ノート。「人格否定級の悪口も、ノートに集めると単なるネタにすぎないと客観視でき、いちいち傷つかなくなりました」

 心に余裕が生まれると、悪口の奥の相手の心情に目が向くように。話をメモしつつ聞き、相手の怒りのポイントを的確に示して謝ると、理解されたと落ち着き、素直に支払う滞納者が増加。榎本さんは、多額の債権を回収するトップオペレーターに成長した。

 「収集した悪口を見返すと、多くのクレーム案件を処理してきたと自信も持てる。口ベタだった私がきちんと主張できるようになったのも、悪口ノートのおかげです」