「理不尽なクレーム」をコレクション

 「書いて文字化すると、自分が受けたはずの言葉が『人ごと』になり、ノートに封印されるイメージ」。悪口の数が増えるほど、「自分のレベルも上がった」とゲーム感覚で楽しめる。「今や聞き慣れない悪口に遭遇すると、『レアものキター!』と歓喜します」(笑)

上司のセクハラ発言をエクセルで集計

 上司のセクハラ発言を、本人の名前と日付入りでエクセルに集計。「発言回数を棒グラフ化し、『増えている』とひそかに楽しむ一方、いざ訴えるときの証拠にもなると思っていました」。「榎本が『デスノート』を書いている」との噂が職場に広がったため、セクハラ発言は収束。

人のモラハラ発言を手帳とシールでカウント

 同じ人から何度も傷つく言葉を受けたときは、手帳にシールを貼って数をカウント。「回数が可視化されると、『思ったより少ない。被害者意識が強すぎたかも』と冷静になれたり、『月の前半に多い』と傾向を探れたり、ストレスマネジメントができました」

電話口で突然怒鳴られたら…

付箋の言葉を呪文のように読み上げ、その間に態勢を立て直す

 客から突然怒鳴られたショックで言うべき言葉が出てこず、怒りを倍増させる事態を避けるため、「必ず言うべき定番のセリフ」を付箋に書き、デスクの見えるところに貼っておく。「セリフは呪文。一瞬頭が真っ白になっても、呪文を読んでいる間は頭を使わずに済む。すぐ『冷静になろう』と、態勢の立て直しに集中できます」

クレームを聞きながらキーワードを書き留め、怒りのツボを探る

 客が激怒して電話してきたときは、手元のメモに冷静にキーワードを書き留めながら話を聞く。「キーワードをつなげ、『銀座のすし店でカードが使えなかった。今朝電話に出た山田の態度にお怒り』などと、怒りの原因を探っていきます。怒りのポイントをこちらが正しく理解していることが相手に伝わると、怒りが収まる場合が多いです」

取材・文/籏智優子 写真/吉澤咲子

日経WOMAN2019年6月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります