年齢が高くても転職しやすくなってきていると聞くけれど、本当なの? この1年の間に「満足のいく転職をした」という3人に、転職の現実と本音を聞きました。

プレーヤーとして働きつつアラフォーでも年収60万UP

満足度★★★★☆4.0(☆の理由…賞与が業績連動で、期待より少なかったから)

太田真由美さん(仮名)42歳

・ひとり暮らし/持ち家・マンション
・転職活動期間は?…2017年7月~9月
・実際に転職したのは?…2017年12月
・仕事を見つけた手段は?…転職サイト(パーソルキャリア)
・コンタクトした社数は?…6社
・面接した社数は?…1社
・転職に役立った資格、経験、スキルは?…自社システム(サーバー)開発の経験や、初級システムアドミニストレータ、および基本情報技術者の資格

<Before>
ソフトウエア開発プログラマー(SE)…年収480万円

<After>
通信大手の子会社システム構築(SE)…年収540万円

 スキルの賞味期限が短いSEという職業で転職をした太田真由美さん。40代でも年収の上がる転職ができたのは、将来を見据えてスキルアップを続けたから。「ずっとプレーヤーでいたいので、スキルアップは怠りません」

 転職経験は5回。仕方なく、というケースもあった。「上司のパワハラが原因で、前任者は3カ月で、前々任者はパニック障害で辞めた職場も。私は3年半続いたので、次の面接では前向きにストレス耐性の高さをアピール。ハンデになる転職回数の多さを払拭しました」

太田さんのお仕事ヒストリー

22歳(1998年4月)

音楽系総合商社に就職。取引店への営業などを担当。将来性を考えて未経験のSEを志す。

25歳(2001年3月)

ソフトウエア開発会社へ。未経験でSEになり一から学ぶ。

31歳(2007年5月)

チケット販売会社へ。ECサイトやセキュリティーのシステム開発を担当。役員の不祥事で会社の将来に不安を感じる。

35歳(2010年8月)

試薬製造会社へ。ECサイトのリニューアルなどを担当。入社後に上司のパワハラが深刻な職場だと知る。大学院大学でITを学び直す。

39歳(2014年2月)

ソフト開発・販売会社へ。2カ月後に正社員に登用。受注管理ソフトの開発や改修を担当。大学院大学に通うため、紹介予定派遣に。

42歳(2017年12月)

通信大手の子会社へ。親会社に出向してシステム開発を担当。現場で開発の仕事を続ける道へ。

満足のいく転職をする4つのコツ

1. 将来性のある技術を探しキャッチアップを続ける
SEになった頃は、まだ大型コンピューターが主流だったが、将来性を考えて小型コンピューターにシフト。対応するプログラム言語を習得した。

2. 「やりたくない仕事」は隠さずに企業に伝える
「採用面接で管理職を打診されても『プレーヤーを続けたい』と明言。本音で答えたほうがお互いのためなので、不採用なら縁がなかったと考えます」

3. 経験をプラスにアピール。「ストーリー」で納得させる
転職回数の多さは「長続きしない人」と欠点に見られるので、「パワハラ上司の下で3年半も仕事を続けた」と、ストレス耐性の高さを前向きにアピール。

4. 企業名だけにこだわらず仕事の内容で転職先を探す
「仕事内容を優先して転職先を探したので、40代でも年収アップの転職ができた」と自己分析。同じ年でも、大企業ばかり狙う友人は転職に苦戦中だそう。

転職に役立った経験

⇒仕事の傍ら、大学院大学で学び直したこと

 35歳で開発環境の構築に関わり、知識不足を実感。大学院大学で2年間のカリキュラムを受講、3年かけて卒業した。授業料などで計120万円の自己投資。

転職に役立った情報

⇒転職希望先の口コミ情報

 転職情報サイト「Vorkers」や「転職会議」で、社員や元社員の口コミをチェック。「社内の雰囲気など、良い点と悪い点の両方について、生の声を参考にした」。