ネガティブ体質は3つの感情ログで整理

 日々湧き上がる怒りを記録し、観察すると、「自分は何に、なぜ怒るのか」の傾向をつかめる。怒りを客観視できるようになると、怒りの感情自体が湧きにくくなり、長く引きずることもなくなる。さらに幸せや成功体験を記録すると多幸感と自己肯定感がアップ。感情がネガティブからポジティブへ“体質改善”され、落ち込みにくくなる。

1. アンガーログ

⇒怒りを客観視でき、自分の傾向をつかめる

 イライラや腹立たしさ、モヤモヤは、理由が不明確なままストレスとしてたまりがち。小さな「カチン」から噴火レベルの怒りまで、こまめに記録すると、つかみどころのない怒りの原因を客観視できるようになる。職場や家庭など、自分が怒りを感じやすい場所も特定できる。

<やり方>

 いつ、どこで、どんな出来事があり、それに対してどう怒りを感じたのかを、日誌の要領でノートやスマホに記録する。怒りの強さも10段階で分かりやすく数値化しよう。なぜ怒りを感じたのかなどの分析は書かなくてOK。

アンガーログの例 ◆日時:8月7日 ◆場所:帰りの電車 ◆出来事:帰りの電車で運良く座れたが、前に妊婦さんがいたので席を譲ろうと立ったら、横のおじさんが素知らぬふりで座ってしまった。 ◆思ったこと:妊婦さんに譲った席を横取りするなんて最低! あなたに譲るために立ったんじゃないと言いたかった。ああいう人は、どうして自分のことしか考えられないんだろうと腹が立った。 ◆怒りの強さ:6

2. ハッピーログ

⇒小さな幸せに目が行き、ストレスが減る

 うれしい、楽しいなどのハッピーな感情を記録するログ。書き続けていくと、それまで見逃していた小さな幸せに気づけるようになり、考え方が徐々にポジティブに。ストレスの総量も減っていく。

<やり方>

 ごくささいなことでも構わない。ちょっとでも頰が緩んだり、心が弾んだりした瞬間に敏感になり書き留めていく。

ハッピーログの例 □ 髪の毛のカールがきれいに決まった □ 朝ドラのセリフが胸に刺さった □ 電車で席を譲ったらすごく喜ばれた □ 話題の札幌土産をもらった □ 帰り道でふと空を見たら月がきれいだった

3. サクセスログ

⇒自己肯定感が高まり、ネガティブ感情が減る

 できたこと、うまくいったことを記録。仕事やプライベートで「やった!」と感じた体験を書く。続けると「うまく対処できている」「周囲の役に立っている」と実感。「どうせ私なんて」とのネガティブ感情が薄れ、自己肯定感が高まる。

<やり方>

 成功体験というほど大きく構えず、ハードルをできるだけ低くして、日常のささやかな達成感を書き出していこう。

サクセスログの例 □ いつもより10分早く目が覚めた □ 1駅分歩いた □ 会議でプレゼンの反応が良かった □ 朝書いたTO DOリストを全部こなせた □ クローゼットの整理整頓ができた

ネガティブ体質リセットカレンダー

 気の重くなりがちな週の始めと半ばにハッピーログで元気を出し、金曜夜にサクセスログで1週間の達成度合いを実感しよう。アンガーログは怒りを感じるたびに。その場で書けないときは、落ち着いてからでいい。

戸田久実
日本アンガーマネジメント協会理事
戸田久実 アンガーマネジメントやアサーティブコミュニ ケーションなどをテーマに、企業研修や講演を 実施。これまでに指導した人数は20万人以上。 著書に『アンガーマネジメント』(日本経済新聞出版社)など。

取材・文/籏智優子

日経WOMAN2018年9月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります