レジリエンスとは、逆境や困難、強いストレスに直面したとき、それに適応する精神力のこと。いわば「心の筋肉」です。誰にでも備わっていますが、意識して鍛えていないと衰えてしまいます。日ごろから鍛えておくための習慣を紹介します。

逆境に強くなるために、心の筋肉を鍛えましょう(写真はイメージ)
逆境に強くなるために、心の筋肉を鍛えましょう(写真はイメージ)

レジリエンスは逆境から立ち直る力

 仕事のプレッシャーや失敗などの逆境に遭遇すると、ネガティブな感情からなかなか抜け出せない――。そんな人に鍛えてほしいのが、「心の筋肉=レジリエンス」だ。

 「日ごろから鍛えておくことで、逆境に遭っても深く落ち込みすぎず、立ち直りも早くなります」と、ポジティブサイコロジースクール代表の久世浩司さん。

 逆境に遭うとその対処に追われるため、気持ちが落ち込んでしまうのは仕方ない。大切なのは、感情の落ち込みを早く「底打ち」すること。「負の感情を翌日まで引きずらないためには、運動や音楽などで気晴らしをして、気持ちをリセットして」。

小さなことに感謝してポジティブ感情を蓄積する

 一方、逆境からの「立ち直り」を早めるために、「心の筋トレ」を。日々ポジティブな感情を蓄積し、自分は大丈夫だという揺るぎない自信を身に付けると鍛えられる。

 「自分は幸せだと思っている人は、逆境に強い。通勤電車が時間通りに運行したなど、小さな幸せに常にアンテナを張り、感謝する習慣を身に付ける。ポジティブな感情は消えやすいので、意識的に続けて」。

 「立ち直り」には、自分と同じ目線で共感し合える友人のサポートも必要。「そうした友人を5人は持ちたい。たまに会う人や同級生など、利害関係がなく、緩いつながりの人がおすすめ」。

 相手の迷惑になるのが心配で頼れないという人もいるが、実は頼られた相手も自己肯定感が高まり、前向きになれる。「勇気を持って、あなたが必要です、と伝えましょう」。