忙しい日々のなか「仕事に生きる情報」をどう選んでいる? 世の中のトレンドを敏感に捉えて、新たなヒットをつくっていく人たちは、どんな情報を日々チェックしているの? ヒットメーカーの情報収集法を聞きました。

多くの人に届くものを作るにはお茶の間の情報感覚を持っておきたい

 『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』などの人気ドラマを手がけてきた小田玲奈さん。2019年に放映した『家売るオンナの逆襲』は、原作がなく、不動産業界を舞台に、引きこもり中年や働き方改革など、旬な時事ネタがちりばめられたオリジナル作品だ。

小田玲奈さん (38歳)
日本テレビ放送網 情報・制作局ドラマプロデューサー。2003年入社。『ズームイン!!SUPER』など情報・バラエティー番組を担当後、15年からドラマ部門へ。17年、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』でエランドールプロデューサー奨励賞を受賞。担当作「住住」がHuluで独占配信中。

 ネタを膨らませるときには、リサーチャーや取材担当者の力を借りるが、着想の原点は、小田さん自身が「身の回りで感じる、社会の引っかかりや矛盾」。

 さぞかし、アンテナを広く張り巡らせているかと思いきや、「私がルーティンとして見ているものはごく普通。朝の情報番組とヤフーニュースくらい。特別なものを知っていることより、多くの人が見ている『普通』の情報を、バランス良く取り入れておくことが、作り手に必要な情報感覚だと思っています

 そもそも、「情報は追いかけるものではない」と小田さん。「自分が関心を持てば、情報は自然に集まってくる。人生経験や興味の幅を広げ、情報の『窓』を増やすことを大事にしています