話したいことをとっさに英語で表現できないのは、「口が英語に慣れていない」から。毎朝30分の音読を続けて、英語が自然に口をついて出てくる英会話力を身に付けましょう。

週末集中より、毎日30分!

 「週末に集中して3時間勉強するより、毎日30分続けるほうが英語の習得には効果的」と言うのは、留学経験ゼロにもかかわらず、ニューヨーク・タイムズで現役記者として働く上乃久子さんだ。

 「英会話で使うのは、基本的に中学校で習う文法のみ。それなのに話せないのは、英語の語順に慣れていないせいです」。それを克服するのにお勧めなのが、シンプルな英文を音読する習慣。「現役の通訳も仕事前のウオーミングアップに行っているくらい、音読は重要。毎日続けると、とっさに英語が口から出る『瞬発力』が身に付きます」

英語脳になる「朝の50英文」の作り方&使い方

 上乃さんが紹介する英語習慣は、毎朝、起床から始業までに行うこと。2つのステップで進めていこう。

【STEP 1】毎朝の行動を表す英文を50作る
【STEP 2】行動に合わせて英文を暗唱する

 それぞれのステップの進め方を見ていこう。

【STEP 1】毎朝の行動を表す英文を50作る

⇒平日朝30分で5つずつ、2週間で完成させる

 起床から始業までの行動を表す50の英文を作ることを目的に、1日5つずつ、朝の行動を英文にしよう。平日5日間×2週間続ければ、最終的に朝の50英文が完成する。

 まず、朝起きてから会社に着くまで、自分の朝の行動を日本語で箇条書きにする。「1日5つずつ作文することで、毎日少しずつ増やしていけます」。「私」以外の主語も交えてバリエーションを。

 次に、箇条書きにした5つの文を、毎日、朝30分で英訳する。最初は「主語+動詞+目的語」のようなシンプルな現在形の英文でOK。作文の仕方は下の解説を参考に。

正しい英文の作り方&調べ方

◆英文のフレーズ集をアレンジする
オリジナルの英訳文を作るのが難しい場合は、左ページの例文や市販の英語のフレーズ集からそのまま使うか、単語を入れ替えてアレンジを。

◆辞書を引くときは「名詞」から
例えば「カーテンを開ける」を英訳したいなら、「カーテン」で辞書を引いて例文をチェックすれば、「開ける」の自然な言い回しが見つかる。

◆オンライン辞書の例文を活用
例文が豊富な「英辞郎 on the WEB」などのオンライン辞書を参照する。「『Google翻訳』は間違った訳もあり、初心者向きではありません」。

【STEP 2】行動に合わせて英文を暗唱する

⇒起床から始業までの出来事を「実況中継」する

 「声に出すことで英語の語順に慣れ、自然に英語が出るようになります」。朝起きてから会社へ行くまで、実際に英語を口に出しながら、50英文で実況中継していこう。日本語から英語に訳すのでなく、パッと英語だけが口から出るようになるのが目標!

 最初は、ノートやスマホに記録した英文を見ながら読み上げる。スムーズに読めるようになったら、口に出すスピードを徐々に上げていって。

 そして慣れてきたら、なるべくノートの英文は見ずに暗唱する。自信がないときだけ、書いたものを見て確認。外出先でも、恥ずかしがらずに声に出す!