周囲の信頼を失う、ケアレスミスを連発、顧客を逃す……。仕事に付きものの失敗も、自分次第で成長のチャンスになります。失敗を自分の糧にした女性から、乗り越えるための極意を学びましょう。今回は、上司から言われた「厳しい言葉」がきっかけで自分を変えた女性を紹介します。

スタッフに信頼されず猛反省

 入社半年でリラクセーション店の店長に就任するものの、スタッフの信頼を得られず売り上げは低迷。信頼している上司から「あなたが人に興味がないから、スタッフと関係を築けていない」とアドバイスを受ける。

 そんな厳しい言葉が、「自分を変えるきっかけになった」と話すフュービックの川島奈津季さん。「それまで個人の成績が良かったせいで、『自分の結果さえ出せばいい』と自信があったんです。だから店長になってもスタッフの気持ちを考えられていなかった」

川島奈津季さん(29歳)
フュービック フィジカルフィットネス事業部

仕事内容→ストレッチ店の店長
社会人歴→7年目

 店長として求められるのは、個人の成績ではなく「チームづくり」。そう気づいた川島さんは、「周囲に頼られる店長」を目指して心機一転。スタッフとの結束力を高めることに注力した。

 「特に意識したのは、『褒める』『共感する』こと。相手をよく観察し、変化や成長に気づいた点を褒めることで、心を開いてもらえるようになりました」

 スタッフのやる気を引き出すことで、売り上げもアップ。よりチームワークが強固になるという好循環が生まれ、社内で稼働率ナンバーワン店舗に選出されるという結果につながった。

 「失敗を経て自分を見つめ直したからこそ、今は『仕事が楽しい』と胸を張って言えます」

何がどう変わった? 3つの効果

1. スタッフから気軽に相談してもらえるようになった

 スタッフの状況をよく観察し、こまめに声を掛けることで、信頼関係が築けるように。「悩んだときは気軽に相談してもらえるようになりました」

2. チーム内のうっかりミスがほぼなくなった

 スタッフ間のコミュニケーションを密にすることで連携が良くなり、復唱の徹底で予約間違いなどのミスがゼロに。「全体の売り上げアップにつながりました」

3. 自分だけでなく、スタッフも「褒め上手」になった

 「褒められる喜び」を体感することで、スタッフ自身も褒め上手に。「お客様にも前向きな言葉を掛けられるようになり、店の雰囲気が明るくなりました」

 次のページから、そんな川島さんの失敗を乗り越えた軌跡と、具体的な乗り越え方を紹介します。