周囲の信頼を失う、ケアレスミスを連発、顧客を逃す…。仕事に付きものの失敗も、自分次第で成長のチャンスに。失敗を自分の糧にし「ダメな私」から脱却した女性から、乗り越えるための極意を学びましょう。今回は、失敗してしまった商談での体験を挽回したコミュニケーション術を紹介します。

「埋もれない」コミュニケーション術で挽回

 写真部材関連の営業をしている別所貴子さんは、30歳のときに競合他社に大型案件を奪われた。「他社が価格や納期を工夫していたのに、私は『価格は下げられません』の一点張り。それまでの顧客にはよかったけど、その顧客にはもっと寄り添う熱意が必要でした」

社内外に“自分の味方”を増やしています!
社内外に“自分の味方”を増やしています!
別所貴子さん(37歳)
大日本印刷 イメージングコミュニケーション事業部

仕事内容→営業
社会人歴→16年目

 そこから挽回すべく、週に1度は新幹線で取引先を訪問。「よく会うね。住んでるの?」と言われるほど、複数の部署を訪ねて人脈を築いた。同時に社内外の友人に、自分のダメなところをさらけ出して助言をもらった結果、次の案件を獲得。

 「直接やり取りのある部署以外の人とも付き合っていると、いざというときに味方になってもらえます」

別所さんの失敗を乗り越えた軌跡

22歳
入社。1年目から営業に配属

入社以来、営業として、バーコード用インクリボンやフォト関連製品などの商品を担当する。

30歳
>>失敗<<

20代での営業実績を評価され、社内での売上額トップを占める取引先を任されることに。しかし担当する取引先が変わり、他社との競合に敗れ大型案件を失う。

<<挑戦>>
競合に敗れ、受注がない状態でも週に1度は取引先を訪問。工場を訪ねる回数も増やし、すぐに技術面の相談ができる態勢を整えた。

<<<成長>>>
前回の敗因となった価格面などを改善し、競合に勝利。30歳で課長に。35歳でイメージングコミュニケーション事業部営業唯一の女性部長に昇進。

「商談の失敗」の乗り越え方

⇒社内外でコミュニケーションの時間を増やす

【疎まれない】
⇒常に笑顔!否定的な言葉を使わない

工場長に「辛気臭い顔で来るな」と言われてから、口角を上げることを意識。「言葉選びにも気を付け、『できません』ではなく、『検討します』と前向きに言い換えます」。

【埋もれない】
⇒社内会議で必ず発言する

新人時代から会議では必ず発言し、議事録も作っている。「発言すると、名前と顔を覚えてもらえます。他部署の人と課題点や問題点をシェアできるというメリットも」。

【連絡を絶やさない】
⇒顧客を訪問したら、他の部署にも寄る

取引先ではアポのある部署以外にも「飛び込み営業的に」顔を出す。「複数の部署の人とコミュニケーションを深めるなかで、契約が取れない原因が分かったこともあります」。

実践したらこんな効果が!

⇒困ったときに頼りになる人が増え、商談がうまくいくようになった

 「社内外の友人が増え、的確なアドバイスをもらえるようになりました。自分の問題点が分かると対処できるため、仕事の成果に結びついています」

取材・文/三浦香代子 写真/小野さやか

日経WOMAN2019年4月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります