仕事でミスをしても難なく乗り越える人もいれば、いつまでも失敗を引きずって萎縮してしまう人も…。失敗を糧にできるポイントを知り、仕事で成長できる人になりましょう。今回は、自らもかつて「ダメ秘書」だったと話す、人材育成講師の西真理子さんに話を聞きました。

大事なのは、失敗を次に生かす力

 ひとたび失敗すると、またミスすることを恐れて、指示されたこともできずに信頼がゼロに……という悪循環に陥りがちに。そんな人が失敗を克服し、次のステップに進むためには、「まずは原因を分析し、しっかりと反省することが大事」と、秘書研修などの講師を務める西真理子さん。自らもかつて「ダメ秘書」だったそう。

 仕事上の失敗は原因を探ってみると、「自分由来」「他人由来」「コミュニケーション不足」の3つに分類できる。これまでの失敗を振り返ると、「うっかりミスが多い」「相手と行き違いが生じる」など、自分が失敗しやすい傾向があるはず。それが分かれば、「厳重にチェック」「相手とスケジュールを共有する」といった具体的な対策を取れる。対策については次のページで詳しく紹介する。

 「私も重要書類を破棄したり、判断ミスで上司が3カ月間、口をきいてくれなかったりしたこともあります(笑)。でも、『同じ失敗は絶対にしない』と気持ちを切り替えました。次に生かそうという力があれば、どんな失敗も乗り越えられますよ」

あなたは失敗し続ける人? 失敗を糧に成長する人?

 失敗続きの人ほど、自分ひとりで仕事を進める傾向が。失敗から成長できる人は、「対応力」と「他人を巻き込む力」を持っている。仕事におけるさまざな局面で、失敗をし続ける人、失敗を糧に成長できる人の行動パターンをチェックしてみよう。

謝罪

失敗を続ける人
⇒自分がミスしたのに、なかなか謝ることができない
成長する人
⇒たとえ自分だけのミスでなくても、すぐ謝罪できる

ミスをしたとき

失敗を続ける人
⇒一度のミスを引きずり、切り替えられない
成長する人
⇒ミスを挽回するように、テキパキと次の仕事に挑む

グチや不満

失敗を続ける人
⇒仕事のグチを社内で話す
成長する人
⇒仕事のグチや不満は職場以外で発散する

西さんのアドバイス
「どこで誰が聞いているか分からないのに仕事のグチを社内でこぼすのは厳禁。特にエレベーター内やランチ時の会話には注意を」

チームワーク

失敗を続ける人
⇒自分ひとりで完璧に仕事をこなそうとする
成長する人
⇒他人を巻き込んで仕事を進める

西さんのアドバイス
「自分だけで仕事を抱えるとキャパオーバーになりがち。周囲と協力すれば思い込みによるミスを防げ、早めに軌道修正できます」

スケジューリング

失敗を続ける人
⇒締め切り直前まで仕事に手をつけない
成長する人
⇒遅れることを見込んで、前もって仕事を進める

体調管理

失敗を続ける人
⇒大事なときに体調を崩す
成長する人
⇒体調を崩しそうになったら、事前にきちんと休む