なんとなく、いろんな面で良さそうな朝型。体にどういいのかが、科学的にも明らかになってきています。でも、良いと分かっていても続けられないのが朝型生活。続かない理由と、続けるための意外なコツが分かりました。

「朝型生活」のご利益は?

 いいことずくめの朝型生活。そのメカニズムが最新の研究で分かってきた。

 時間を軸にした健康科学に詳しい、早稲田大学教授の柴田重信さんによると、「朝の光を浴びて朝食を取ると、脳や肝臓などにある時計遺伝子が『今からが活動の時間』と認識して、やる気やパフォーマンスが高い状態が日中ずっと続くのです」。朝型の人の仕事がはかどる理由のひとつはこれだ。

 健康を保つのにも朝型がいい。生活習慣病にかかりにくかったり、同じものを食べても太りにくかったり。「特に、1日に取る食事を、朝と昼にしっかり、夜は軽く、が実践できている人は太りにくいです」(柴田さん)。

「人生の主導権」を取り戻せる

 ただ、朝型の良さは分かっていても、続けるのが難しい。習慣化コンサルタントの古川武士さんは、「頭で考えた『やるべきこと、正しいこと』を早起きでやろうとするのが失敗のもと。そうではなくて、起きることが楽しみな『ワクワクすること』なら続けられます」と話す。朝イチでいい感情が持てると、後に続く仕事や家事にも前向きに取り組めるので、「人生の主導権を取り戻せて、毎日がうまく回るようになります」(古川さん)。

 もうひとつ、早起きする時間は欲張らずに30分くらいから始めるのも、続けるためのコツだ。

「朝30分」を無理なく続けるコツ

1. 早起きは30分程度でOK
朝型を三日坊主にしないためには、「いきなり2時間早起きしようと考えず、まずは30分の早起きから」(古川さん)。朝、ぼんやり過ごしているなら、その時間を活用するのでもいい。

2. 朝イチに好きなことをする
「『これをやるべき』で決めると、早起きは失敗する。仕事と関係ない趣味や、少し稼げる副業など、ワクワクすることを朝イチでして、気持ち良く1日を始めましょう」(古川さん)

3. 早起きする分、早寝して睡眠不足にしない
早起きするなら、同時に就寝を早めないと睡眠時間が減ってしまう。朝寝坊に戻りやすいだけでなく、睡眠不足を続けると、日中のパフォーマンスが下がってしまうので、避けよう。