嫌みなく本音を伝えられる魔法の言葉　アサーティブ

ケース別　今すぐ使えるフレーズ集

　ここからは、言ってはいけない「NGフレーズ」と印象が良くなる「魔法のフレーズ」をシチュエーション別に紹介していく。以下の8つのシチュエーションでは、どんなフレーズがNGなのだろう。また、どういうとうまく伝わるのだろう。

1．誘いを上手に断る
2．後輩（部下）を注意する
3．雑談を切り上げる
4．忙しい相手に話しかける
5．安請け合いをやめる
6．相手の勘違いを指摘する
7．セクハラ発言から逃げる
8．言いづらいことを指摘する

1．誘いを上手に断る

　仕事が忙しい日が続き、体調もなんだか優れない……。「今日は早く帰って寝よう」と思った矢先、先輩から「飲みに行かない？」とお誘いが！

言ってはいけない「NGフレーズ」

×　ちょっと今日は別の予定があって……
×　行きたいんですけど……。うーん……ちょっと調整します

　とっさに噓をついたり、曖昧な返事で言葉を濁して結局ドタキャンしたりすると、相手の印象は悪くなり、自分自身もモヤモヤが募る結果に。

印象が良くなる「魔法のフレーズ」

○　お誘いいただき、ありがとうございます！
　⇒　相手の気持ちを受け止める

○　とてもうれしいのですが、実は連日の残業で体調が優れなくて……。せっかくなのですが、今日は早く帰ろうと思います
　⇒　理由を率直に話す

○　来週以降、ぜひご一緒させてください！
　⇒　代替案を提示

　まずは誘いに対するお礼を伝え、相手の気持ちを受け止めるのが礼儀。断るときは、率直な理由と代替案をセットにすると印象がアップ。「過剰に謝りすぎるのもNG」

2．後輩（部下）を注意する

　新卒の後輩。一生懸命なのは分かるが、提出物は遅れがち。進捗を聞いても「大丈夫です！」の一点張りで困ってしまう。

言ってはいけない「NGフレーズ」

×　なんで遅れるのかな？ 大丈夫じゃないよね？
×　ちゃんと進捗報告しないとダメだよ！

　「最終的なゴールは、後輩が締め切りを守れるよう仕事のやり方を導くこと。感情的に責めたり、ダメ押ししたりするだけでは問題解決になりません」

印象が良くなる「魔法のフレーズ」

○　何も相談がないまま提出物が遅れると、部署全体の進捗が遅れて皆にも影響が出ちゃうよ
　⇒　周囲への影響を伝える

○　頑張っているのは分かっているけど、進捗の報告や相談がないのはまずいと思う
　⇒　自分の気持ち伝える

○　次回からは進捗確認のミーティングをしない？ 月曜日と水曜日の朝5分はどう？
　⇒　改善策を提案

　まずは「客観的な事実」から伝えること。「経験が浅い新人は、周りが見えていない可能性が高い。その行為が周囲に与える影響を示し、改善するための具体的な提案を」。