3. 送信メールの作成にかかる時間を減らす

 メール処理で最も時間を要する難所だが、これも型を決め、過剰品質を改めれば、高速化できる。

いちいち考えない、悩まない

 メールは宛名、挨拶、名乗り、要旨、詳細、結び、署名という7要素で構成される。自分の定番パターンをいくつか決めておこう。「頭を使って書くべきは要旨と詳細のみ。他は、相手や目的別に定型文をいくつか用意して使い回す。些末(さまつ)なことに悩んだり、個性を出そうとしたりしない」

しゃれた一言はいらない

 挨拶文は「お世話になっております」や「お疲れさまです」などで十分。「変に凝った季節の挨拶など不要。一言添えたいときは、相手への感謝の言葉が最も自然で印象もアップする」

~感謝の一言の例~
「久しぶりにご連絡いただきありがとうございます」
「スピーディーなレスポンスで助かります!」

◆相手が感情を吐露したら無視せず拾う
 ムダな飾り言葉は省くのが原則だが、効率性を重視するあまり、感情のケアをなおざりにしてはいけない。相手が感情を吐露する1文を入れてきたら、相手の気持ちに共感を示す一言を添えて返すこと。一言で十分だが、あるとないでは大違い。

相手)先日まで風邪で寝込んでいて、熱が下がらず……
自分)大変でしたね。無理なさらないでくださいね
相手)新商品の売れ行きが軌道に乗り、ほっと胸をなで下ろしたところです
自分)さすがですね!○○さんなら必ず結果を出されると思っていました

日本語の正しさを追求しすぎない

 文を何度も見直したり、言い回しの正否を辞書で調べたりしがちだが、「これも時間のロス。人名や数字など要所さえ押さえれば、多少の言葉の間違いがあっても不快感を生むことはない。間違いを恐れすぎずに」

「くどい」表現を避ける

 丁寧に文章を書こうとするあまり、へりくだりすぎたり、回りくどく言葉を重ねたりしてしまいがち。「丁寧すぎ」は読み手にも違和感を生む。1文を短くして読みやすさ第一にしたほうが、伝わりやすく、時間も短縮できる。

 「お手数をおかけしますが」「恐縮ですが」などのクッション言葉は多用しがち。しかし「大して申し訳なくもないときにまで乱用すると読み手に違和感を生む」と平野さん。些細(ささい)なお願いでむやみにへりくだらない。

 「させていただく」も過剰な敬語の代表例。許可を取って行うときにのみ使う表現。1文が長くなるほど文章力が問われ、書き手も読み手もこんがらかるので、接続詞を控え「1文を短く」を心がけて。

くどい表現の置き換え例

例1)
早速ですが、簡単に要点をまとめた資料を送らせていただきます。

簡単に要点をまとめた資料をお送りいたします。

例2)
お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご検討いただけますよう何卒よろしくお願いいたします。

お手数ですが、ご検討お願いいたします。

相手を「すぐ返信させる」メールテク

 返信を待つ時間も減らしたいもの。相手をすぐ返信させるにはパッと見て「読みやすそう」、読んで「分かりやすい」と相手に思わせるのがコツ!

箇条書きを活用

 1文にだらだらと書かない。1文50文字以内が目安。箇条書きを活用しよう。

まめに改行

  1行に文字を詰め込まない 1行20〜30文字が目安。まめに改行して。

漢字を多用しすぎない

 漢字を多用すると見た目が「黒っぽい」メールになる。圧迫感を生むので注意。

曖昧な表現を使わない

 相手が返信に迷ってしまうような曖昧な表現を使わない。「○時まで」などと数字で明示。

押しつけがましい表現を避ける

 「要返信」「~してください」は注意。押しつけがましい表現は避けよう。

平野友朗
日本ビジネスメール協会 代表理事
平野友朗 アイ・コミュニケーション代表。広告代理店を経て2003年に独立し、ビジネスメール教育に取り組む。添削したメールは1万通以上。近著に『【改訂新版】ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)。

取材・文/元山夏香

日経WOMAN2019年5月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります