貯蓄と節約だけではなかなか手の届かない資産1億円の高みに、個別株投資という稼ぎ方を駆使してたどり着いた女性2人がいます。いずれも投資歴は16年。2人の投資手法とルールを聞きました。
「マイルール」で高配当株を安いときに買う
山下かほりさんのマイルールは「気持ち悪い投資はしない」。例えば、持ち株が値上がりしたとき、もっと上がるのか下がるのか自問自答する。「下がるのが怖いと思ったら、速攻で売ります。気になって気持ち悪いですから」
投資対象は東証1部上場で、自分と接点がある、形のある商品を扱っている会社だ。これも、分からない会社にお金を託すのは気持ち悪いから。トランプ大統領が誕生したときには、株価が下がりそうだと思い、1000万円単位で株式を売っている。「ドキドキ投資は好みません。高配当株を安値で仕込むなど、気持ちいい投資を軸にしています」
【ルール1】
配当利回り4%超え銘柄をそろえて年間100万円の配当金をゲット
取得株価ベースの配当利回りが4%超えの株式を10銘柄近く保有、トータルで年100万円程度の配当収入がある。「いずれも安いときに買っているので、売れば値上がり益が手に入りますが、高利回りの配当のほうが魅力的」
山下さんが持っている高利回り株の一部
【ルール2】
株価が上がってきても、配当金が増えなければ売りを考える
企業の成長で株価が上がり、配当金も増えるのが理想。ただ、現実的には配当金は一定で、配当利回りと株価は反比例の関係。1%程度など、配当利回りが低い銘柄は、株価が高すぎると判断、場合によっては売却も考える。
【ルール3】
金融ショックが起きたら、損切りや持ち株の入れ替えを機敏に実行
東日本大震災の後はリストアップしていた「安くなったら買いたい株」を購入、トランプ大統領誕生時は「株が下がる」といわれていたので株を処分するなど、金融ショックのときは臨機応変に現預金と株式の比率を変えて資産を増やしてきた。
【ココが気になるQ&A】
Q. 資産1億円の使い道は?
働けなくなったときに備えるお金。鏡を見ると「年を取ったな」と思うことがあります。そんなとき、鏡の中の将来の自分に思いをはせ、今、どう行動すべきかを考えながら投資をしています。
Q. 職場ではどんな存在 ?
部下についた新人に、「お母さんみたい」と言われたことがあります。部署の困り事相談窓口で、人事異動の季節にお掃除奉行の役を買って出るところは、確かにお母さん的かも知れません。
Q. これまでの一番の贅沢は何?
結婚10周年のときに買った120万円のネックレス。デザイナーの中嶋邦夫さんの作品で、工房にお邪魔して体に合うものを特注でつくってもらいました。自分的にはかなりの奮発です。