NISA? iDeCo?なんだそれ?
A子 「了解です。あ、また謎の言葉が出てきた。『NISA、iDeCoの開設を希望する場合は…』ってなんのこっちゃ? 適当に選べばいいですかね?」
篠田さん 「だめだめ! ここがお得な投資になるか否かの分かれ道。しっかり選ばないと。NISAやiDeCoを利用すると、投資で出た利益にかかる2割の税金が、非課税になるんです」
A子 「超オトクじゃないですか!」
篠田さん 「iDeCoにはさらにメリットがあります【解説4】。これは毎月決まった金額を積み立てて運用する個人向け年金制度。積立額に応じ、運用期間中ずっと、所得税と住民税が軽減されるんです」
【解説4】iDeCo(イデコ)は自分でつくる年金。節税メリットも大
1. 積み立てる商品は投信か定期預金か保険
2. 掛け金の上限額は働き方などによって異なる(月1万2000〜6万8000円)
3. 積立時、運用時、受取時に税制優遇あり
4. 60歳まで引き出せない
5. 60歳以降は積み立てられないが、運用は70歳までできる
A子 「よーし、いっぱい積むぞー」
篠田さん 「積立額には上限があり、働き方によって額が変わります。会社員や公務員は月1万2000〜2万3000円、自営業者は月6万8000円*です」
A子 「どのくらい節税できます?」
篠田さん 「一般的な給与額の女性会社員なら年約2万〜10万円程度。自営業者で月収30万円、課税所得300万円のA子さんが上限の月6万8000円積み立てた場合、年16万円ほど節税できます」
A子 「わーい、自営業者でよかった! でも、毎月7万円近くを積み立てるのは正直厳しいです」
篠田さん 「A子さんには貯蓄500万円があるじゃないですか。このうち、月収の半年分程度を残しておけば、残りは投資資金に回してOK。A子さんの場合、300万円程度は投資に回せるので、その資金と毎月の収入から、積立額を捻出すればいいんです」
A子 「それなら払えそう。でもこの先、もし収入が減ったら?」
篠田さん 「その場合は、年1度に限り、積立額を変更できます」
A子 「よし、じゃあ投資に慣れて、心と懐にゆとりができてきたらiDeCoも始めようっと」
篠田さん 「なに悠長なことを! iDeCoで積み立てられるのは泣いても笑っても59歳まで。節税メリットを存分に得るには、1カ月でも早く始めるべきです!」
A子 「そ、そうなの?」(汗)
篠田さん 「目的が老後資金づくりなら、節税効果大のiDeCoを上限額いっぱいまで使い、さらに投資できる余裕があれば、併せてNISA、さらに余裕があれば通常の口座も活用しましょう」
A子 「は、はい! ところでNISAって2種類あるんですね」
篠田さん 「NISAとつみたてNISAです【解説5】。NISAは投資信託、株など多様な投資ができますが、つみたてNISAでできるのは投資信託の積み立てだけ」
【解説5】NISAとつみたてNISAの選び分けのコツ
1. 対象者は20歳以上の国内居住者
2. 売却益や配当金などが全額非課税になる
3. 非課税期間と投資可能額に上限がある
A子 「何に投資したいかで、どちらかを選べばいいんですか?」
篠田さん 「それに加えて『運用にいくら回せるか』も、物差しになります。NISAは、年に120万円までの投資で出た利益が5年間、非課税になる制度。ただ年120万円の非課税枠は、翌年には持ち越せません。つまりNISAに向くのは、毎年100万円近くを運用に回す余裕がある人」
A子 「つみたてNISAは?」
篠田さん 「非課税になる投資額は年40万円と少ないですが、その分、非課税期間は20年。少額ずつ長期で投資したい人にはこちらが向きます。どちらも口座開設した年を1年目として、非課税期間が始まります。『開設すれど投資せず』の期間が続くのはもったいない。特にNISAは非課税期間が短いため、年100万円程度の投資資金のメドが立ってから始めることをお勧めします」
A子 「なるほど。では、私はまずiDeCo口座を開いて上限の月6万8000円の積み立てを始め、NISAの口座開設は、改めて考えることにします」