4.理由はいいから上がる株を教えて!

 個別株投資を始めようと口座を開いたけれど、どんな銘柄を、いくら分、いつ買っていいのか分からない。そこで、マネー誌に「注目株」として紹介されていた銘柄を買ってみることにした。

⇒【思考停止、後悔回避】
選択ミスは他人のせいにしたい

 情報を集め、銘柄選びや売買を判断するのは大変な作業。人は情報や選択肢が多すぎると、「思考停止」に陥り、結論を他者に頼ってしまう。また、「後悔回避」といって、失敗を他人のせいにできると、自分の判断で失敗したときより後悔が軽くなるという誘惑も。

【処方箋】
銘柄は自分で選ぶ。上がったとき、下がったときの対処も決めておく。

5.愛しのA社株はきっと上がるはず!

 製品を愛用しているA社の株式を買った。今はかなりの含み損だけれども、愛着がある。ネット掲示板にも株価が上がると書いてあったので、いずれ上がるはず。そのときまで持ち続けよう。

⇒【所有効果、追認バイアス】
保有株はかわいくなる

 持ち物に愛着を持つ「所有効果」は、株の世界にもある。持ち株を愛し、根拠もなしに「上がる株」と思うようになると、損を引きずったり、追加買いで傷口を広げたりする場合も。良い情報しか目に入らない「追認バイアス」で株への愛を深める人もいる。

【処方箋】
「銘柄には惚れるな」という格言も。クールな付き合いをしよう。

6.株価のチェックでハラハラヘトヘト

 長期投資のつもりで株式を買ったけれど、値動きが気になって仕方ない。上がっていればうれしいし、下がるとツライ。毎日、株価を見て一喜一憂していたら、投資がつらくなってきた。

⇒【近視眼的損失回避】
小さな損も重なるとつらい

 長期投資なので、短期の値動きは関係ないと分かっていても、小さな損を毎日、突きつけられると、やがて心が折れ、投資が嫌になってしまう。これを「近視眼的損失回避」という。

【処方箋】
長期投資なら、株価チェックは半年に1回程度にしてみては?