投資のジンクス

 投資の世界には、いくつかジンクスがあると言われている。根拠はないが、結構当たる? いくつか紹介しよう。

「節分天井・彼岸底」

 相場は2月に高値を付けて、3月中旬のお彼岸頃に安値を付けることが多いというジンクス。新たな資金の流入などで上昇することが多い年初から、決算前で相場が荒れがちな3月までの動きを表している。

「セル・イン・メイ(Sell in May)」

 英国の投資格言。株式市場は5月に直近で一番高い値を付けることが多い。そこで、5月に株式を売って相場から離れたほうがよいという教え。「9月に戻ってくるのを忘れるな」と続く。

「夏枯れ相場」

 7〜8月は夏休みを取る人が増え、株式を売買する人も減る。取引が減るので、値動きも小さくなり、株価も下がり気味に。ただ、参加者が少ないので、小さなニュースで株価が大きく反応することもある。

「12月は儲け月/掉尾の一振(とうびのいっしん)」

 12月は、年末に向けて株価が上昇しやすい傾向がある。機関投資家の決算に向けた売買や、ボーナス資金の流入、翌年の期待株を買う動きなどが、相場を押し上げるといわれている。

「サザエさん効果/ジブリの法則」

 アニメ『サザエさん』の視聴率が下がると株価が上がる傾向があるというジンクス。ジブリ効果は、日本テレビの『金曜ロードSHOW!』でジブリ作品が放映されると翌週の月曜の株価が下がるという都市伝説で、結構当たる。

「国策に売りなし/解散・総選挙は買い」

 国が新たに打ち出した事業で利益を得る会社の株式は黙って買えというジンクス。今ならキャッシュレス関連など? 衆議院解散のニュースも株価を押し上げることが多いといわれている。

角田康夫
行動経済学会 前評議員
角田康夫 早稲田大学卒業後、東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入行。投資信託の運用や証券投資理論の研究に従事。退社後は青山学院大学などで教鞭を執る。主な著書に『行動ファイナンス入門』(PHPビジネス新書)がある。

取材・文/本間健司