衝動買いやムダ遣いばかりという人は、脳に「浪費グセ」が染みついているのかも? 脳科学的に正しい節約術を知ることで、無理なく貯められる「貯蓄脳」にチェンジ!

「メタ認知」を習慣化すれば無理せず節約できるように

 お金を増やす際に、最も手っ取り早い方法のひとつが、節約。だが、脳神経外科医の菅原道仁さんは、「脳は『浪費したがるクセ』を持っている」と話す。

 「あらゆる場面で決断を迫られる現代人は、脳が疲れ気味。深く考える回数を減らそうと、『省エネモード』で自動的に処理する傾向にあります。その結果、世の中に蔓延(まんえん)する『買わせる仕掛け』にハマる。本当は欲しくないのに必要だと勘違いしたり、欲しいと感じた途端、反射的に買ってしまったり。タイムセールや衝動買いに弱いのも、『脳のクセ』が原因です」

 そんな脳の『浪費グセ』に歯止めをかけるのが、メタ認知=自分を客観視する行動だ。「メタ認知」とは、自分の言動を第三者的な視点で見る=自分を客観視すること。自分の頭上にドローンを飛ばし、空撮しているイメージを持ち、自分を第三者視点で見つめる習慣を持てば、「また衝動買いをしようとしている!」と気づきやすくなり、浪費グセに歯止めをかけられるという。

 3ページ目で紹介する4つのアクションも取り入れて、メタ認知を自然に発動させ、理性的な判断ができるよう習慣づけよう。

 「脳には『可塑性(かそせい)』があり、繰り返すうちに神経回路が鍛えられます。メタ認知に基づく行動を習慣化すれば、ストレスなく節約でき、貯蓄に結びつけられます。脳の衝動に振り回されず、お金とハッピーな関係を築きましょう」。

 無意識のうちに、脳はお金を使わせているのかも? 次のページで、脳が促す浪費行動をチェックしてみよう。