災害に備えて対策をしたいけれど、何から手を付けていいのか分からない─。そんな悩める働く女性たちに、防災と収納の専門家が正しい知識と備え方を伝授します。

最低限の防災グッズを入れた「防災ポーチ」を作ろう

 世界でも有数の「地震大国」、日本。大規模地震による壮絶な光景をいくつも目の当たりにするたび、防災対策の重要性を思い知らされてきた。しかし、「正しい防災知識を持っている人は、まだまだ少ないのが現状です」と、防災士で整理収納アドバイザーの資格を持つ熊田明美さんは警鐘を鳴らす。

 では、私たちは、いったい何から備えるべき?

 「働く女性が災害に遭遇する可能性が高いのは、圧倒的に外出時です。まずは、最低限の防災グッズを入れた『防災ポーチ』を作り、常に持ち歩いてほしいです。バッグのサイズに合わせて、2種類のポーチを作っておくと便利ですよ

 防災ポーチを作るときには、「命を守るもの」「衛生用品など生理現象に関するアイテム」を最優先に考えていくといい。「特に女性の場合、簡易型の携帯トイレとティッシュは必須。そこに、マスクやウエットティッシュといった衛生用品を加えましょう。さらに、閉じ込められたときのために笛を持っておくと、とっさの場面で対処が可能に。これらを最低限持つべきアイテムとして考えて、そこに薬や眼鏡など、自分にとっての必須アイテムを足していくとよいでしょう」詳しい防災ポーチの内容は、次のリストを参考にしてみて。

 また、「もしも今、ここで地震が起きたらどうするか」と日ごろからシミュレーションしておくことも、重要な防災対策につながると熊田さん。

 「職場や通勤電車の中、習い事の教室など、自分の生活パターンに合わせて、緊急時の対策を想定しておくといい。家族との連絡方法を確認したり、近くの避難所や災害時帰宅支援ステーションの場所も併せて調べたりしておくと安心です」