働く女性は外出時間が長いため、家の中の防災がおろそかになる場合も。防災目線で室内を整え、備蓄を行う意識が必要です。そこで、防災と収納の専門家に聞いた、正しい知識と備え方を伝授します。

通勤時、外出時に持っておきたい「防災ポーチ」はこちら→防災士に聞く正しい知識 おすすめは「防災ポーチ」

自宅で備える「非常用持ち出し袋」

 自宅ではどんなモノを備えておけばいいか。防災士で整理収納アドバイザーの資格を持つ熊田明美さんは、「ひとり1つの非常用持ち出し袋」(防災リュック)と「室内備蓄品」の準備を指摘。「防災リュックには、避難所で1泊できる荷物を入れて、リュックが重くないかチェックを。背負って走れる重さが目安です(*)
*実際に避難するときは走らず、障害物に気を付けて

 防災用品を詰め込んだ非常用持ち出し袋の中身は、「避難所で1泊できる持ち物」を前提に、自分流にアレンジしよう。

防災リュック

各自で1つずつ。家族の人数分を準備しておくこと。手持ちバッグではなく、常時両手が空くリュックが基本。背負ってみて、重すぎないか、確認しておくこと。

<準備ポイント>
・「水、食料品」「身を守るモノ」「情報収集するモノ」
・避難所で1泊できる準備
・背中に背負って走れる程度の荷物量が目安(避難する際は走らず、障害物に気を付ける)

<備えるべき中身>

1. 500mlの水2~3本
…直接口をつけて飲むことも想定。

2. ラジオ付き手回し充電ライト
…情報収集は身を守るために欠かせない。1つで何役も兼ねるモノを選べば荷物が減らせる。

3. ヘッドライト
…頭に装着するヘッドライトがあれば両手が空く。

4. スリッパ
…避難所などで使える。

5. 液体歯磨き
…非常時に役立つ。

6. ウエットティッシュ(除菌アルコールシート)

7. 軍手

8. 手拭い
…乾きやすいモノを選ぶ。

9. エアーマット
…避難所の床が硬くて眠れないときに役立つ。防寒にも。

10. 着替え
…ジャージは着ていき、中に着るTシャツとレギンスの予備を。「性的被害を防ぐため、避難所にはユニセックスな格好で」

11. 油性ペン

12. ガムテープ
…ビニールシートを貼ったり、骨折した場合に固定したり。避難所に行く際に家族へのメモをガムテープに書いて貼ることも。

13. ノート
…大切なことを書き留めておく。家族の連絡先、運転免許ナンバー、パスポートナンバー、保険、銀行口座、病院など。

14. マスク

15. 化粧シート
…シートタイプのスキンケア。避難所で水が使えず、洗顔できないときに使う。

16. タオル
…さまざまな場面で使えるのでぜひ入れて。

17. ティッシュペーパー

18. 非常用トイレ

19. 食料
…少量でエネルギーチャージできるものがおすすめ。片手で食べられるバータイプのものやゼリー飲料など。

20. レインポンチョ
…雨の日に避難する際には、傘よりもポンチョのほうが両手を空けることができる。寒い場合、ポンチョを着ると暖が取れる。

21.帽子にセットするインナーキャップ
「インナーキャップ」ミドリ安全

「頭を守ることは一番大事。手持ちの帽子に装着するタイプなら汎用性が高く、便利です」

こんな逸品も

左:トーヨー 折りたたみヘルメット「BLOOM」3600円(編集部調べ)
場所を取るヘルメットも、折り畳みタイプなら邪魔にならない。

右:山善 非常用持ち出し袋(簡易避難セット)4000〜5000円
「必要最低限のものが一式そろっている便利なリュック。自分で準備するのが面倒な人は市販品を。水と食料は別途用意が必要です」