「保険は入っていないと不安だけれど、専門用語も難しいし、いろいろありすぎてよく分からない」。そういうあなたに、保険のキホンの知識を伝授します。

いざというときの必要額が大きい保険を優先して

 「貯蓄ではカバーできない大きな損失に備えるのが保険です」とファイナンシャルプランナーの竹下さくらさん。「生命保険以外にも医療保険やがん保険、火災保険と、多くの保険がありますが、アクシデントが起きたときに必要な額が大きい順に入るのが基本です

 ただし、保険料が家計を圧迫して満足に貯蓄ができなくなるのも考えもの。貯蓄があれば、ある程度のリスクに対応できる。備えという意味でも、保険料より貯蓄を優先したい。

 保険の常識が昔と違うことにも要注意。「今は保険に貯蓄性を期待できない時代なのに、いまだに学資保険や個人年金保険がいいと思っている人が多い。時代によって保険の商品性は変わるということと、『親の常識は今の非常識』ということは覚えておいて」。貯蓄性のある保険は、途中解約すると損をするものがほとんど。加入は慎重に。

貯蓄性のある保険には要注意
 現在、保険の利回り(標準利率*)は低く、貯蓄性のある保険(学資保険、終身保険、養老保険、個人年金保険など)は、ほとんどお金が増えない状態。このような状況で「貯蓄性」をアピールする保険は、ひとひねりしているものなので注意が必要だ。例えば、外貨建ての保険で為替リスクがある、低解約返戻金型で途中解約したら、払った保険料の7割しか戻ってこないなど。加入の際は説明をよく聞こう。
*金融庁が各保険会社に対して設定している運用利回り。2018年10月時点で0.25%

 時代のニーズに対応した新しい保険も上手に活用したい。従来の保険ではカバーできないようなニッチなリスクに備える保険商品も続々、登場している。

 なお、女性は妊娠すると医療保険に入りにくくなり、妊娠・出産での入院・手術も保障対象外となることがある。医療保険に入るなら早めがおすすめだ。

 次のページから、知っておきたい保険の種類や、私たちにとって優先順位の高い保険、保険の選び方などを見ていこう。