長期で定額を積み立てることで、資産を大きく増やせるのが「コツコツ投資」。これだけは知っておいてほしいポイントを確定拠出年金アナリストの大江加代さんに聞きました。

投資対象を分散させつつ値動きの要因も知っておく

 「毎月1万円」などの定額で投資信託(投信)を買い増していくコツコツ投資。安定的に資産を増やすために、2つの「分散」という手法を使っている。

 1つ目は、「投信」の仕組みを使った投資対象の分散。例えば、ある会社が倒産すれば、その会社の株価はゼロ。一方、投信は何社にも投資するので価値がゼロになる可能性は低い。2つ目は、買うタイミングの分散。値動きのある投信を毎月コツコツ一定額で買うことで、買い付け価格を平準化できる。

 投信の種類は6000本以上あるが、「最初は、つみたてNISAやiDeCo(イデコ)で買える投信を検討したい」(確定拠出年金アナリスト 大江加代さん)。

 つみたてNISAやiDeCoで買える投信は、手数料の安いインデックス型が中心。インデックスとは、市場全体の動きを示す「指数」のこと。これと同じ値動きをするように運用されているのがインデックス型投信だ。日本株、日本債券、海外株、海外債券など、値動きが違うインデックス型投信を複数持つと、さらにリスクは下げられる。

 「10年に1回くらいは大きな金融危機が訪れる。そのときに慌てないためにも、保有中の投信の価格がどんな理由で動くのかは理解しておきましょう」