お金を何にどう使うか。そこには「生き方」が表れるもの。「私はコレ」と決めた対象にお金を使い、暮らしを楽しんでいる人たちに「使い方の哲学」を聞いてみました。今回は、盆踊りが大好きで年間40万円を使っている人のやりくりを紹介します。

一体感を求めて西へ東へ

⇒盆踊りに年40万円使っている人

 「服や化粧品には興味がないし、都内の自宅は家賃10万円の賃貸で、寝る場所と割り切っています」。そう話す武藤恭子さんの普段の生活は質素。職場に毎日弁当を持参、仕事後は区民農園で野菜を育てて食費を浮かすなど、浪費とは無縁の日々だ。

武藤恭子さん(仮名)41歳・教育・事務/夫と2人暮らし

 そうして貯めた貯金を、一気に散財するシーズンが夏。毎年7〜9月に約30夜開かれる岐阜県郡上八幡の盆踊り「郡上おどり」に全夜参加するため、有休とお金を集中投下する。

 踊りがない日は東京に戻って仕事をするので、新幹線代や宿泊費でひと夏に数十万円の出費に。夏以外も全国各地で開かれる郡上おどりのイベントに参加。

 その旅費も年10万円以上に及ぶ。ちなみに、野球観戦やミュージカル鑑賞も趣味。ものより生で一体感を味わえる「貴重な空間と時間」にお金をかける主義だ。

武藤さんのお金DATA

手取り月収 19万円
手取り年収 230万円
貯蓄額 1500万円 ※個人分
投資額 100万円

 家計簿はつけていないが、生活費をあまりかけておらず、「貯金は自然に貯まった」そう。投資は優待目当てに株を9銘柄保有。

お金のやりくりは?

 郡上おどりのシーズンに貯金を取り崩すのは仕方ないと割り切っている。とはいえ、新幹線代が割引になるJR東海のエクスプレス予約や「ぷらっとこだま」、時には高速バスも活用して、常に倹約は意識