持ちすぎないための3ステップ

 「持ちすぎ状態」を脱し、スッキリ部屋を手に入れるには、「捨てる」「収める」「モノの流入を防ぐ」の3ステップにトライして。

 「一番の難関は、捨てること。『もったいない』と罪悪感にかられたり、『まだ使えるかも』と躊躇(ちゅうちょ)したり。挫折を防ぐには、『思い入れが少ない&小さなスペース』から手をつけて」

 モノを減らした後は、今あるモノを使いやすく「収納」しよう。ワンアクションで取り出せるなど、動線を意識したい。

 最後の仕上げは、モノの流入を断つ仕組みづくり。「買い物行動を見直すことが大切。買い物時に、購入後の状況を鮮明にイメージすると、冷静になれます」。

 モノを適量にキープし、使いやすく収納できれば、「自然に片づく部屋」が完成します。

1. 捨てる・手放す

→まずは家からモノを減らす

 まずは、収納スペースからモノをすべて取り出し、ジャンルごとに分けて。「何をどれだけ持っているかを把握しましょう。そのなかから、利用頻度の低いものを捨てていきます。冷蔵庫の食品ストックなど、期限があるものから取りかかると、悩まずに捨てられます」

 自分に合った捨て方を選択するのも大切。「捨てることは、心と向き合う行為。心理的なハードルを下げるには、自分が納得できる手放し方を選んで。メルカリなどのフリマサイトやオークション、出張買い取り業者、人に譲る、回収ボックスなど、多くの選択肢があります」

2. 収納のセオリーを知る

→「1、2、3軍」に分けて使えるように

 少ないモノで快適に暮らす&散らからない部屋にするには、収納の基本を押さえておくべき。「収納のセオリーは、よく使うモノを取り出しやすい場所に収めること。よく使う順にモノを3つに分類し(1軍=毎月必ず使う。2軍=年に数回以上、3軍=2~3年に1回以上)、動線を考えながら収納場所を決めて」

 収納グッズも賢く使って。コツは、空間を上手に活用すること。「突っ張り棒やラダーラックなどの『吊つるす収納』で壁面や扉の裏を利用。棚や引き出しの中はカゴで仕切るのが鉄則。白いボックスで形を揃えるとスッキリ見えます」

3. モノを増やさない仕組みをつくる

→買い物行動、モノ選び、適正量…本当に必要かを見定めよう

 「持ちすぎない部屋」をキープするには、モノの流入を防ぐことが大前提!「意識しないとモノはどんどん増えていきます。買い物をするときには『収納する場所はある?』『どれくらい使う?』『似たようなものを持っていない?』など、自問自答を3回以上繰り返し、本当に必要かを見定めて。考えるのが面倒になり、買いたい気持ちが冷める場合も」

また、「1つ買ったら1つ手放す」ルールは、おすすめしないという。「そもそも管理能力の高い上級者向け。それよりは、『収納スペースの7割』を意識してモノの量を調整していくほうが、管理しやすいと思います」。

中山真由美
整理収納アドバイザー
中山真由美 RittaStanza代表 整理収納アドバザー。心理カウンセラー。収納コンサルティングや講演、メディア出演など幅広く活躍。著書は、『マンガでわかる 散らからない仕組み』(主婦の友社)ほか多数。

取材・文/西尾英子 イメージ写真/PIXTA