「何を買うかは自分で考え、決めている」—そう思ったら大間違い。実は、私たちは「脳」に「買わされて」いる? 脳科学の観点から、脳の専門医がその理由を解き明かします。

物語を正しく描けるかが、満足度アップのカギ

 欲しい!と思って買った瞬間のワクワク感はどこへやら……。いざ手にしてみると、なんだか気に入らない─。そんな失敗をすると、「ムダ遣いしてしまった」と悔やんだり、自己嫌悪に陥ったり。「そのムダ遣いは、脳が持つ『クセ』が原因です」と断言するのは、脳神経外科医の菅原道仁さん。

 私たちの脳はそもそも「怠け者」。特に、あらゆる場面で決断を迫られる現代人は、脳が常に疲れ気味で、深く考える回数を減らそうと省エネモードで自動的に処理する傾向にあります。有名人のおすすめをうのみにしたり、同じ広告を何度も目にするうちに欲しくなったりするなど、買わせる仕掛けにまんまとハマり、本当は欲しくないのに必要だと勘違いしてしまう。購入後の満足感が低いのは、脳にうっかり買わされたのかもしれません」

 ムダ遣いしてしまった……と悔やんだことがあるなら、さっそく次のページで紹介する「買い物上手度」クイズで診断してみよう。