あるある! 5つのムダ買いパターン

「消費を促すトラップに引っかからないためには、脳が「買いたい」と反応するシチュエーションを知ることが大事」。典型的なシーンを紹介しよう。

1. 「今、買わないと損」に脳は過剰に反応する

 「人には、得をするよりも損をすることを極度に苦痛と感じる、『損失回避性』と呼ばれる特徴があります。『限定○品』『タイムセール』などの札を見て、今買わなくては損!と感じるのはそのせい」。焦って財布を開く前に、購入後にどう使うかをできるだけ具体的に描き、本当に必要かを冷静に見極めよう。

2. 有名人や素敵な人のおすすめを、脳は「いい」と信じ込む

 「著名人がおすすめするくらいだからいいものに違いないと無条件に信じ込んでしまうのは、『ハロー効果』と呼ばれる現象。考えることを面倒くさがる私たちの脳は、権威に弱い。有名人にとってはいいものでも、それが自分に合うかは別です。思い込みを捨て、自分のケースに置き換えて考える習慣をつけること」

3. モノを見てテンションが上がると、脳は急激に「欲しいモード」に切り替わる

 欲しいと感じるときには、脳には何が起きているのか。「これ、いいかも!と思うと、ドーパミンという物質が分泌され、脳は快感を覚えます。しかし、その放出がやむと一時的な興奮が冷めて、満足感が消えてしまう。そのため、ときめきだけで衝動買いをすると、後悔を生む結果になりやすいのです」

4. 何度も同じモノを見ると、脳は「好きになりやすい」

 最初は興味がなかったのに、何度も同じ広告を見るうち、なぜか気になる存在に……。「目にする回数が多いほど、対象物の好感度が高まる『単純接触効果』によるもの。マーケティングの罠わなに引っかかりやすいのは脳が思考停止している証拠です。口コミもマーケティングの一種なのでうのみにせず、自分で考え、判断を」

5. 行列ができていると、思わずつられて並んでしまう

 「人と一緒だから安心」が、余計な出費を生む。「多くの人が選ぶ=良いものと認識してしまう『バンドワゴン効果』により、脳は少ない労力で最大の効果を得ようとする。そのため、行列を見るとつられて並んだり、ブームになるととりあえず買ったりする。自分の意思で欲したものでないので、満足感も上がりにくい」


 購入時に「物語を正しく描けるか」が、満足度アップのカギ。脳のクセを知って、自分にとって「いる」「いらない」を判断しムダ買いを減らしていきましょう。

菅原道仁
脳神経外科医
菅原道仁 菅原脳神経外科クリニック院長。1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、国立国際医療研究センター、北原国際病院勤務を経て、2015年に開業。著書に、『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)ほか。

取材・文/西尾英子 写真/PIXTA

日経WOMAN2018年12月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります