収納家具を新たに買い足さなくても、棒1本で収納空間は無限に増やせます。通称「つっぱり棒博士」の竹内香予子さんに、突っ張り棒のフル活用アイデアを存分に教わりましょう。

棒1本で収納力が無限大に

 突っ張り棒メーカー平安伸銅工業の社長・竹内さんの自宅に収納家具はほとんどない。代わりに、大小さまざまな突っ張り棒で、機能的かつおしゃれな空間をつくり上げている。

竹内香予子さん
平安伸銅工業 代表取締役

 突っ張り棒をはじめとする、収納用品の開発を手がけるメーカーの3代目社長。新聞記者を経て2015年から現職。整理収納アドバイザー。

 夫と娘の家族三人で暮らすリノベーションした自宅マンションでは、150本以上の突っ張り棒を活用している。

竹内さんの自宅マンション。室内のいたるところに突っ張り棒が
竹内さんの自宅マンション。室内のいたるところに突っ張り棒が

棒の取りつけ方と使い分け

 「突っ張り棒は落ちる……」という心配もあるが、「それは付け方と商品選びが間違っているから。きちんとバネを縮ませて取りつけるだけで、強度が変わります」

 また、軽いものや細かく仕切るには100円均一の品でも問題ないが、「強度が必要な場所には少し値段が上がっても耐荷重の大きい商品を選ぶと、活用の幅が広がります」

1. 棒を回しながら取りつけるのはNG

 正しい突っ張り方は、取りつける前に棒を取りつけ幅より1~2cm長く伸ばし、伸ばした側を壁面に当て、押し縮めながら反対側を水平に押し込む。回して伸ばしながら突っ張ると、バネの反発力が十分発揮されない。

2. バネ式とジャッキ式を使い分ける

・バネ式…細かく仕切るのに向く
・ジャッキ式…耐荷重が必要な場所に向く

 バネ式が一般的だが、バネ式よりパイプが太く、ネジで固定してしっかり圧着できるジャッキ式もある。バネ式より高価だが、服を掛けるなど、耐荷重が必要な用途にはおすすめ。

3. 「突っ張り棚」で活用の幅が広がる

 突っ張り棒を複数本組み合わせたような棚タイプも。ジャッキ式で壁との圧着面も広いので、強度のある棚を手軽に増設できる。幅や奥行きの種類も豊富。