女性ホルモンの状態は35歳が転換地点

 年代により変化する女性ホルモンのターニングポイントは35歳。「分泌量は徐々に減り、自律神経が乱れやすくなる。徹夜をしたりストレスをためたりすることが、ホルモンバランスの崩れにつながります。ホルモンの変動に体調も左右され、めまいなど『プレ更年期』の症状が出ることも。35歳を過ぎたら、『がむしゃら』から、規則正しい生活をしながら質で勝負する働き方にシフトしましょう」。

 45歳以降は「更年期」。女性ホルモンが急減し、のぼせやほてりなどの更年期障害が現れることも。「規則正しい生活を心がけ、無理をしないこと。体力を補強する食事を取り、必要に応じてサプリメントやホルモン補充療法を活用しましょう」。女性ホルモンとは年齢に応じた付き合い方をして。

女性ホルモンで考える「キャリアと健康」

 女性ホルモンは心身に影響を及ぼす。特にエストロゲンの分泌量の変化とキャリアと健康の関係を見ていこう。

心身に影響! エストロゲンの量はこう変わる
心身に影響! エストロゲンの量はこう変わる

20代前半~35歳

健康⇒無理が利く&妊娠しやすい時期
キャリア⇒「やりたいこと」に邁進

 女性ホルモン分泌のピークを迎え、ホルモン量も安定。仕事に邁進できる一方、妊娠しやすい時期でもある。子供を望むなら、第1子はこの時期までに妊娠するのが理想。キャリアと人生とを考えて。

35~45歳

健康⇒体力の衰えを急激に実感する時期
キャリア⇒健康を軸に生活を改善する

 35歳を境に女性ホルモンの分泌量が減少。不摂生やストレスでホルモンバランスを崩しやすく、蓄積した疲労で、ホルモン変動にも過敏に。更年期のような症状が現れることも。生活を見直す時期。

45~55歳

健康⇒更年期障害が出ることも
キャリア⇒無理をしない時期

 日本人の平均閉経年齢は51歳。その前後5歳が更年期と呼ばれる。女性ホルモンの分泌量は急減。その状態に体がついていけず、「ホットフラッシュ」などの更年期障害が出ることも。生活習慣病のリスクも高まる時期。

【更年期障害の主な症状】
・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)
・腰や手足の冷え
・息切れ、動悸(どうき)
・頭痛、めまい、吐き気
・怒りやすく、イライラする
・クヨクヨし、憂鬱になる
・肩こり、腰痛、手足の痛み
・なかなか眠れない
・気力や集中力が低下

【更年期の症状がつらいなら】
 HRT(ホルモン補充療法)で改善することが多い。2〜3週間で症状の改善が見られるので、我慢せず婦人科や女性クリニックへ。

55~70歳

健康⇒女性ホルモンのアップダウンから解放される
キャリア⇒仕事を再び頑張れるハッピー期

 女性ホルモンの急減に体が慣れ、最低限の分泌量が続く。女性ホルモンの変動による影響からも解放されるので、仕事も再び頑張れる時期に。骨粗しょう症などには注意が必要。

関口由紀
女性医療クリニック・LUNAグループ理事長
関口由紀 横浜市立大学医学部泌尿器科などを経て、2005年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開業。08年Leading Girls女性医療クリニックLUNAグループ理事長となる。著書に『温かくてしなやかな「ちつと骨盤」が体と心を幸せにする。』(日本文芸社)など。公式ホームページ http://www.luna-clinic.jp/

取材・文/海老根祐子 イラスト/PIXTA

日経WOMAN2019年3月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります