気分と健康を左右する女性ホルモン。前回、女性ホルモンのバランスを整えるための生活習慣を紹介しましたが、どうしてもホルモンバランスによって不調は起こるもの。上手にプチ不調を解消する方法を女性医療クリニック・LUNAグループ理事長の関口由紀さんに聞きました。

 肩こり、胃腸のトラブル、目の疲れ、肌の乾燥について。いずれも毎日のケアで軽くなる。早めに対策しよう。

肩こり ⇒ こまめなストレッチと温め習慣を

 女性ホルモンの減少で知覚過敏が起こり、肩こりを感じやすくなる。冷えやストレスによる筋肉の緊張も原因に。頭痛や吐き気を伴うことも。毎日のケアで改善したい。

【こんな症状に注意】
・肩が重いと感じる
・肩がカチカチに硬くなる
・肩が上がらない
・目や頭が痛くなる

 改善のポイントは、こまめなストレッチと温め習慣。仕事の合間に、こまめに首や肩を伸ばすストレッチを。冷えや寒さで肩がガチガチのときは、携帯カイロで温めるのもおすすめ。漢方薬も効果的。

胃腸のトラブル ⇒ 我慢は禁物、トイレに行く習慣を

 月経前は腸の働きを弱めるプロゲステロンの影響で、便秘になりがち。最近は、ストレスで便秘と下痢を繰り返す「過敏性腸症候群」に悩む人も増加中。原因を見極めて対策を。

【こんな症状に注意】
・便秘が続いておなかが苦しい
・下痢をしやすい
・便秘と下痢を繰り返す
・胃が痛む

 改善のポイントは、我慢しないこと。朝食後は必ずトイレへ行く習慣を持つことが大切。過敏性腸症候群にはストレス対策が有効。日ごろから乳酸菌食品で腸内環境を整えて。

目の疲れ ⇒ 手のひらを当てるなどして温める

 年齢とともに目のピント調整機能は低下するが、頑張って合わせようとするため、目が疲れやすくなる。女性ホルモンの低下で涙の分泌量が減るので、ドライアイにも注意。

【こんな症状に注意】
・モノがかすんで見える
・目がしょぼしょぼして涙が出る
・暗いところから外に出ると、まぶしくて目が開かない

 改善のポイントは、温めること。目を温め、血流を改善すると、筋肉の動きがスムーズに。温かい手のひらを目の上に当てるだけでもOK。定期的に目薬を点眼するのも効果的。

肌の乾燥 ⇒ 保湿成分配合のクリームでケアを

 30歳を超えると、水分保持を助けるエストロゲンの減少で、肌が乾燥しやすくなる。ハリとツヤがなくなり、ターンオーバーが乱れることで、かゆみやかぶれなどの肌トラブルも起こりやすい。

【こんな症状に注意】
・冬以外も、ハンドクリームが手放せない
・頰を触るとザラザラする
・肌が突っ張る

 顔の乾燥の改善のポイントは、ヒアルロン酸など角質層に届く保湿成分配合のクリームでケア。全身には、ヘパリン類似物質などが配合された保湿剤を使って。