知っておきたい女性の病気

 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がん、乳がんの6つの女性特有の病気についてチェック。検診・検査も必要に応じて受けるようにしよう。

子宮筋腫

⇒ 場所や大きさで対処も変わる

 子宮の表面や子宮内膜の内側などにできる良性の腫瘍。エストロゲンの影響で大きくなる。筋腫が小さいうちは自覚症状がないことも多い。大きくなると月経過多、月経痛が見られることもある。小さな筋腫が複数できることも。

【検査・治療法】
 検査は、内診と超音波で調べる。治療法は、できる場所、大きさによって、経過観察、筋腫を大きくする女性ホルモンの分泌をホルモン剤を使って抑える薬物療法、摘出手術がある。

子宮内膜症

⇒ 卵巣にできた場合は注意!

 子宮内膜によく似た組織が、卵巣や腹膜など子宮外にできる病気。激しい月経痛を伴うことが多い。月経を繰り返すことで増悪し、閉経とともに治る。卵巣の子宮内膜症は、卵巣がんに変化する可能性があり、経過観察が必要。

【検査・治療法】
 超音波検査や血液検査で診断。ホルモン剤を使って月経を止め、子宮内膜の増殖を抑える。漢方薬も効果的。それで効果が得られない場合などは、手術で病巣もしくは子宮、卵巣を摘出。

卵巣がん

⇒ 進行するまで自覚症状がない

 卵巣にできる悪性の腫瘍で、40代になると発症率が増加。未出産、閉経が遅いなど、排卵回数が多いことが発症リスクを高めるとされる。自覚症状はないため、進行してから見つかることも多い。1年に1度は超音波検査を受けたい。

【検査・治療法】
 検査は、超音波検査で卵巣の膨張などを見る。悪性が疑われたら、MRIやCTで詳しく検査。治療は、卵巣と周辺組織の摘出手術を行う。転移しやすいため、術後は化学療法の併用が一般的。

子宮頸がん

⇒ 罹患すると進行が速い

 子宮頸部にできるがん。セックスによるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染で発症。セックス経験のある人なら、誰でもリスクがある。発症すると進行が速く、他臓器への転移も。初期には自覚症状はないため、定期検診が大切。

【検査・治療法】
 検査は、ブラシのようなもので子宮頸部をこすり、「異形化」した細胞が見つかれば組織診を行う。治療は、原則はがん組織を切除する手術。子宮頸がんワクチン投与も有効。

子宮体がん

⇒ 閉経後の50代から多くなる

 子宮体部にできるがんで、その95%は子宮内膜に発生。女性ホルモンが発症に関わるといわれ、閉経後の50代に多い。初期には不正出血などの症状がある。更年期の月経周期の乱れと思い込まず、気になったら婦人科で検査を受けたい。

【検査・治療法】
 超音波検査と子宮内膜の細胞診を行う。疑わしい場合、組織を採って調べる。治療は、子宮、卵巣、卵管などの摘出手術。初期で、今後の妊娠を望む場合、ホルモン療法が取られることも。

乳がん

⇒ 女性の14人に1人が罹患

 乳房に発生するがん。症状はしこり、乳房のひきつりなど。30代から増え始め、50代で最も多くなる。初潮が早い、閉経が遅い、出産経験がないなど、エストロゲンの分泌期間が長いほどハイリスク。遺伝的な因子も関係する。

【検査・治療法】
 検査は、20代は超音波検査、30代からはマンモグラフィーと超音波検査を。疑わしければ細胞診、組織診となる。治療は、がんを切除する手術、化学療法など。

関口由紀
女性医療クリニック・LUNAグループ理事長
関口由紀 横浜市立大学医学部泌尿器科などを経て、2005年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開業。08年Leading Girls女性医療クリニックLUNAグループ理事長となる。著書に『温かくてしなやかな「ちつと骨盤」が体と心を幸せにする。』(日本文芸社)など。公式ホームページ http://www.luna-clinic.jp/

取材・文/海老根祐子 イラスト/PIXTA

日経WOMAN2019年3月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります