むくみや倦怠感

水分を排出するカリウムが豊富な夏野菜で、むくみ解消

 湿度が高く、むくみや手足のだるさを感じたら、利尿作用があるカリウムを含む夏野菜で水分の排出を。「夏野菜は体にこもった熱を下げますが、冷えを防ぐなら加熱した料理を」

◆おすすめ食材
夏野菜(トマト、ナス、キュウリ、モロヘイヤなど)

◆おすすめメニュー
カポナータ

◆漢方
・五苓散(ごれいさん)
水分の取りすぎやお酒の飲みすぎでむくむ人に。すぐ効果が表れやすいので、症状が出たときのみに飲んでもOK。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
特に下半身の冷えとむくみ対策に効果が期待でき、2週間から1カ月以上続けて飲むと効果的。

頭がぼーっとするとき

暑さで消耗した気力と傷ついた細胞を青魚で修復

 屋外と室内との温度差が大きく、自律神経が乱れて頭がぼーっとするときは、全身の細胞膜を修復する青魚を取ろう。「オメガ3脂肪酸やビタミンDが記憶力や思考力を保ちます」

◆おすすめ食材
青魚(サバ、アジ、イワシなど)

◆おすすめメニュー
カレーパウダーを使ったサバ&トマトカレー

◆漢方
・加味帰脾湯(かみきひとう)
熟睡できず、疲れが取れない人に。生理前後のメンタルの不調にも。2週間から1カ月以上続けて飲むと効果的。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを良くし、やる気がアップする。2週間から1カ月以上続けて飲むと効果的。

頭痛

きな粉をまぶしたリンゴで頭痛や下痢&便秘も改善

 偏頭痛には、ビタミンB2やマグネシウムが入ったきな粉がおすすめ。「気圧変動による頭痛で悩む人は胃腸が弱い場合が多く、整腸作用があり、香りが頭痛を緩和させるリンゴが◎」

◆おすすめ食材
リンゴ、きな粉

◆おすすめメニュー
リンゴのきな粉和え

◆漢方
・七物降下湯(しちもつこうかとう)
貧血や生理前後に頭痛になる人に効果的。すぐに効果が表れやすいので、必要なときに飲んでOK。

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
気圧の変化で頭痛が発生し、胃腸が弱いタイプにおすすめ。すぐに効果が表れやすい。

夏の冷え

オリーブオイルを温かい飲み物に垂らす

 オリーブオイルは保温性に優れ、胃腸を温めるので夏冷え予防に。味噌汁など温かい飲み物に数滴垂らそう。「オメガ9脂肪酸」を含み、胃もたれしづらく加熱しても酸化しにくい。

◆おすすめ食材
オリーブオイル、ココア、グローブ、シナモン

◆おすすめメニュー
味噌汁にオリーブオイルを2〜3滴垂らす

◆漢方
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足の末端の冷えが気になる人に。2週間から1カ月以上続けて飲むと効果的。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えだけでなく、めまいや生理不順にも効果が期待できる。2週間から1カ月以上続けて飲むと効果的。

胃もたれ

ネバネバ食材で消化を助け胃腸の粘膜を保護

 胃腸の働きの低下を防ぐには、胃腸の粘膜を強化し、整腸作用があるオクラなどのネバネバ食材を。「納豆と一緒に食べればオクラのネバネバ成分がたんぱく質の吸収を促す」

◆おすすめ食材
オクラ、山イモ、納豆、とろろ昆布

◆おすすめメニュー
ネバネバサラダ

◆漢方
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
食べすぎて胃もたれしたときに。すぐに効果が表れやすい。

・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
お腹の張りや風邪、二日酔いによる吐き気などのときに。すぐに効果が表れやすい。

イライラ

アマニ油のオメガ3脂肪酸で活性酸素から細胞を守る

 強い紫外線、高温多湿などの外的ストレスにより自律神経が乱れてイライラしがちに。「活性酸素から臓器の細胞を守り、穏やかな脳を作るオメガ3脂肪酸を含むアマニ油などが◎」

◆おすすめ食材
アマニ油、エゴマ油

◆おすすめメニュー
アマニ油のドレッシングをかけたサラダ

◆漢方
・柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
イライラを解消し、メンタルから来る肩のこわばり、背中の張り、胸脇苦満などにも効果的。すぐに効果が表れやすい。
*胸の脇がものがつまったような感じになり、あばら骨の下に圧痛などがあること

・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
爆発的なイラつきに効果的。便秘しやすく、不安感、動悸、不眠などを感じる人にも。すぐに効果が表れやすい。

体がだるいとき

アボカドで血行促進と整腸作用を

 睡眠不足などによる体のだるさには、ビタミンEが豊富で、血行を促進させて体にたまった疲労物質を排出するアボカドを。「食物繊維も豊富で、味噌と食べれば栄養素の吸収率アップ」

◆おすすめ食材
アボカド

◆おすすめメニュー
アボカドの味噌漬け

◆漢方
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
イライラする、寝苦しい、考えすぎて眠れず体がだるいときに。肩こりや歯ぎしり対策にも。すぐに効果が表れやすい。

・生脈散(しょうみゃくさん)
汗をよくかき、疲れを感じる夏バテに。すぐ効果が表れやすいので、夏休みのレジャー前に飲むのもおすすめ。

夏風邪

キウイでビタミンCをしっかり取る

 夏風邪の予防には、免疫力を助けるビタミンCが豊富なキウイがおすすめ。「また、たんぱく質の分解を促すので、バーベキューや焼き肉で、胃もたれや下痢が心配なときにも試そう」

◆おすすめ食材
キウイ

◆おすすめメニュー
キウイとモッツァレラのマリネ

◆漢方
・藿香正気散(かっこうしょうきさん)
夏風邪、食欲不振、倦怠感などに。比較的すぐに効果が表れやすい。

・桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
夏風邪をきっかけに胃腸を壊し、下痢や残便感を繰り返したり、膨満感を感じたりするときに。すぐに効果が表れやすい。

大久保 愛
薬剤師、漢方カウンセラー アイカ製薬代表
大久保 愛 漢方・薬膳、東洋の美容などを学び、漢方カウンセラーとして年間2000人以上の女性の悩みに応えてきた。商品開発や企業コンサルなどにも携わる。新著に『「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)。

構成・文/高島三幸 写真/スタジオキャスパー