糖質は最後に。食べる順番が最重要

 食べる順番も重要だ。ご飯などの炭水化物(糖質)から食事を始めると、血糖値が急上昇し、老化促進物質のAGEs(終末糖化産物)が増える。さらに、インスリンが大量分泌され、今度は血糖値が急降下。すると、体がだるくなるなどの症状が出る。インスリンは糖を脂肪に変えて蓄えるため、太りやすくもなる。

 「血糖値の急上昇を防ぐには、野菜類などの食物繊維から食べ、糖質は最後に。血糖値の上昇を緩やかにすることがポイントです。速食いも禁物」。


血糖値の急上昇を防ぐための「食べる順番」
血糖値の急上昇を防ぐための「食べる順番」

1.野菜類から食べ始めると、食物繊維が余分な糖質を吸着し、血糖値の上昇が緩やかになる。野菜でもカボチャやイモ類は糖質が多いので後回しに。

2.続いて、肉や魚などのたんぱく質へと箸を進めよう。AGEsはたんぱく質がこげてできるため、「焼く・揚げる」よりも、「蒸す・ゆでる」の調理法がベター。

3.炭水化物と砂糖を使った食べ物は、最後に食べること。なかでも血糖値を急上昇させやすいのはパンと白米。特に菓子パンには注意が必要。

日常的に取り入れたい「食べ方」マメ知識

食後の「緑茶」に注意

 タンニンを多く含む緑茶や紅茶は、鉄などミネラルの吸収を妨げるため、食後に飲むのは控えて。「食後はタンニンが少ないほうじ茶や麦茶を。空腹時なら緑茶もOK」。

週末ゆる断食もおすすめ

 週末だけ食べる量を半分にする、1食抜くなど、たまには胃や腸を休ませることも大事。「胃腸の疲れが取れるとともに、軽い飢餓状態に近づくことで、体が危機感を覚え、細胞の修復が促進されます」。

加工食品の取りすぎに注意

 「pH調整剤」などの食品添加物に多く含まれる「リン酸ナトリウム」は、過剰摂取すると、「動脈硬化が進むなど、健康障害を引き起こす恐れが指摘されています。取りすぎには気を付けて」。

リンを多く含む加工食品
ハム、ベーコン、練り物、インスタント麺 など


満尾 正さん
満尾クリニック院長
満尾 正さん 北海道大学医学部卒業。杏林大学救急医学教室講師、ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員などを経て、2002年にアンチエイジング専門の満尾クリニックを開設。著書多数。最新刊に『世界の最新医学が証明した 長生きする食事』(アチーブメント出版)。

取材・文/西尾英子 写真/PIXTA