年齢とともに押し寄せる体の変化を、老化現象で片づけていない? 実はそれ、体からのSOSかも! 老けない体を作る食べ方を、アンチエイジングの専門医に聞きました。

「鉄」「ビタミンB群」「ビタミンD」を取るべし

 寝ても疲れが取れない、最近太りやすくなった…これって老化のサイン?「女性ホルモンは35歳頃から徐々に減少し、体の老化が始まりますが、それ以前に、20〜40代半ばの女性の多くは、基本的な栄養素が不足しています」とは、アンチエイジングに詳しい医師の満尾正さん。

 「特に足りないのが、鉄、ビタミンB群、ビタミンDの3つ。その結果、体の機能が低下し、さまざまな不調を引き起こしているケースが少なくない」と指摘する。

 老化を防ぐには、健康な体の土台をつくることが大前提。まずは、女性に不足しがちな3つの栄養素を重点的に取ることを意識しよう。とはいえ、体の状態は人それぞれ違う。「自分の体を正確に知るには、病院で血液データを調べるのが有効。その数値をもとに、自分の体に足りない栄養補給をするのがベストです」。


 鉄は細胞がエネルギーを生み出すのに欠かせないミネラル。女性は生理があるため、「多くの人が鉄欠乏」。鉄分が足りないと、疲れやすくなり、便秘の原因にも。

 「皆さんが参考にできる数値としては、健康診断ならMCV (平均赤血球容積)があります。最低でも90以上が基準です」。

鉄を多く含む食材の例

カツオ、イワシ、サンマ、ウナギ、牡蠣カ キ、レバー、卵、大豆、納豆、ホウレンソウ、小松菜 など

こんな症状の人は足りていないかも

疲れやすい、冷え性、肌のシミ、たるみ など


ビタミンB群

 ビタミンB群は糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える火つけ役。糖質の摂取量が多い現代人は、慢性的なビタミンB群不足。ビタミンB群が足りないと、肝臓の解毒機能が弱まり、疲れやすい体になるなどさまざまな弊害が。水溶性ビタミンで体内にとどまらないため、こまめに取りたい。

ビタミンB群を多く含む食材の例

イワシ、サンマ、サバ、レバー、豚肉、卵、玄米、納豆、ニンニク、ぬか漬け など

こんな症状の人は足りていないかも

肌荒れ、口内炎、疲れやすい、太りやすい、頭が働かない など


ビタミンD

 ビタミンDは直接細胞に働きかける、一種のホルモン。骨や筋肉をつくり、免疫力をアップさせる重要な栄養素。不足すると鉄欠乏にもなり、貧血を起こしやすい。体内のビタミンDは、紫外線を浴びることで増える。紫外線を避けたい人は魚を食べる習慣でビタミンDの補給を。

ビタミンD多く含む食材の例

鮭、イワシ、シラス干し、サンマ、サバ、ウナギ など

こんな症状の人は足りていないかも

筋力が低下している、風邪を引きやすい、うつっぽい など


 これら3つの栄養素を豊富に含む、イチオシ食材を次のページでご紹介。それはいったい…?