「年齢を重ねたら、若い頃以上に手をかけて肌の手入れをしなくては」と考える人は多いのでは? しかし、美容化学者のかずのすけさんによると、むしろスキンケアに手をかけすぎることが、美肌を遠ざける原因になるそう。詳しく知りたい!

現代女性の多くは「スキンケアのしすぎ」

 化粧品の成分表示を読み解いた、鋭い化粧品論評のブログが人気を集めているかずのすけさん。化学を専門に研究してきた立場から見ると、現在は、「科学的根拠の不十分な美容情報があふれ、多くの女性がその情報に踊らされている状況」だと指摘する。

 かずのすけさんによると、現代女性の多くは「スキンケアのしすぎ」という。「肌には本来、自分で保湿成分や保護膜を生成する機能があります。その機能が低下したときに補うのが化粧品の役割。過剰なケアは、肌本来のバリア機能を低下させたり、刺激の蓄積によって肌の老化を進めたりする事態を招きかねません。化粧品に頼りすぎず、必要最小限のケアを続けるのが、実は美肌への近道です」

かずのすけ的美容論 4つのギモン

1. 成分表示を見るだけで、化粧品の良し悪しは分かる?

→表示順の頭から1〜2行である程度分かる

 化粧品は全成分表示が原則で、配合濃度順に記載される。「とはいえ、1%以下の成分の記載は順不同。表示だけでどんな化粧品なのか完全には把握できませんが、成分から読み取れる情報も多く、参考にすれば、使わなくてもある程度の良し悪しの判断ができます」


2. 「いい化粧品」「悪い化粧品」ってどういうもの?

→低刺激で肌本来の機能を助けるものがいい

 「肌には本来、自力できれいになる機能があり、それを手助けするのがいい化粧品と考えています」。強力な美白効果やアンチエイジング効果をうたう化粧品もあるが、「効果の高い成分は刺激も強くなりがち。肌に負担を与えているケースも少なくありません」


3. 敏感肌でなければ低刺激でなくてもOK?

→強い肌でも刺激を受け続ければ悪影響が

 肌は強い刺激を受け続けると、黒ずんだりシワができたりする。「肌を白くしたり、活性化する成分は、自分では刺激を感じていなくても、なんらかの化学的・生理的反応を肌の上で起こしていると考えられます。長く使い続けると、刺激の蓄積が肌老化を進める恐れも」


4. 年を重ねたら選ぶ化粧品は替えるべき?

→エイジングケア商品より洗浄剤の見直しを

 「年齢を重ねると肌のバリア機能が弱まります。乾燥しがちなら、スキンケアの仕上げに、クリームなどで油分を補うのはOK。ただ、それより洗浄剤の見直しが先。洗顔料やクレンジングを洗浄力が強すぎないものに替えるだけで、乾燥肌が改善することは多いです」