人間関係がラクになる7つの行動

1・信頼を得られる行動
 相手の良いニュースに耳を傾けて一緒に喜ぶ

 「特に女性は、自分の良いニュースに関心を持って耳を傾けてくれる人を、『信頼できる人』と感じる傾向が強い」と渡辺さん。例えば、相手から昇進の話を聞いたら、「頑張りが認められて良かったね!!」と一緒に喜ぶことで、関係がグッと良好に。逆に「忙しくなって大変そう」と水を差したり、「私だって〜」と話を横取りしたりするのはNG。

2・心を開いてもらえる行動
 相手の好きなものを批判・否定しない

 人は好きなものや価値観を否定されると、自分自身を否定された気分になって嫌悪感を抱いたり、心を閉ざしたりしてしまう。「私たちは、自分の知らないことに脅威を覚えるもの。だからといって、それを排除するのではなく、『よかったら教えて』と関心を示す姿勢を見せれば、相手との距離が近づき、自分の視野も広がります

3・仲間意識が生まれる行動
 飲みニケーションより共同作業

 相手とコミュニケーションの回数を増やすほど、関係性が深まるもの。「とはいえ、会話だけがコミュニケーションではありません。最も有効な方法は、共同作業をすること。資料を片づける、掃除をする、買い出しに行くなど、個人作業ではなく、一緒にできるものを選んで。作業なら会話がなくても不自然ではないので、むしろ気がラク」

4・気持ちが落ち着く行動
 イラッとしたときはタイムアウトを取る

 怒りの感情にのみ込まれそうになったときは、自分に「タイム」を取って、いったんその場を離れるのが有効。「ポイントは、体を動かすことです。思考だけで自分の感情をコントロールするのは至難の業。背伸びや屈伸をする、トイレに行く、階段を駆け上がってみるなど、怒り続けていられない状況をつくって、気分を変えましょう

5・歩み寄れる行動
 相手のノーをいったん受け入れ、目的は何かと考える

 相手が思い通りに動いてくれず、イラッとしてしまう……。その原因は自分のなかにある「正解」を押しつけ、相手をコントロールしようとしているから。「例えば、後輩に資料作成を頼んで『忙しくてできない』と断られた場合、『いつだったらできそう?』『手分けするのはどう?』など、相手の都合を聞いて調整し、別の方法で目的の達成を

6・余裕が生まれる行動
 人に親切にして幸福感を上げる

 「人に親切にすると、自分の幸福感が上がることは科学的にも証明されています。ストレスを緩和するオキシトシンという幸せホルモンが脳内で分泌され、自律神経のバランスも整います。人への親切な行動は、無意識より意識的に行うほうが幸せ度もアップ。エレベーターのドアを開けてあげる、仕事を手伝うなど些細なことでOK

7・心が強くなる行動
 「寝る」「食べる」「運動する」で、ストレス耐性を高める

 イライラ軽減のためには、日ごろからストレス耐性を高めておくことが大事。「そのためには、睡眠・食事・運動の3つの質を上げること。睡眠不足はセルフコントロール力を弱める原因に。糖質に偏った食生活もキレやすくなるので、栄養バランスを意識して。週に150分、1日20分程度の運動習慣で、幸福度がアップするといわれています

読者が実践する「苦手な人の対処法」

◆相手への期待値が高いと、「なんで分かってくれないのか」と悩むが、期待値を下げれば、些細なことで「こんなこともしてくれる!」とプラスに捉えられる(24歳・IT・営業)

◆他人の悪口に同調しない。はー、ふーん、へーと「はひふへほ」で乗り切る(36歳・保険・営業事務)

◆口角を上げて笑顔を心がけ、「ありがとう」を意識して伝える(45歳・通信・企画)

◆どんなにもめても嫌いでも、最後は笑顔で別れる。人間関係はその日のうちに修復すべし(55歳・メーカー・内部通報窓口)

◆挨拶+αの声掛け(季節や気候の話、「その後大丈夫?」など)を意識(44歳・福祉・介護福祉士)

◆苦手な人とはプライベートでは付き合わない。でも仕事に関する話は腹を割って話す(41歳・教育・獣医師)

渡辺奈都子
ウェルビーイング心理教育アカデミー代表理事
渡辺奈都子 1998年から心理カウンセリングとメンタルヘルスに関する研修やセミナーを開催。現在は、幸せが高まる科学的エビデンスを分かりやすく学ぶ心理教育を提供。機嫌よく働きたい女性を支援している。著書に『しなやかに生きる 心の片づけ』(大和書房)など。

取材・文/西尾英子 写真/PIXTA