寒さの厳しいこれからの季節は、たまった疲れや冷えによって、体調を崩しがち。スーパーで手に入る食材で実践できる「プチ薬膳」で内側から体を整え、健康な生活を手に入れましょう。

自分の見た目や体調を「観察」する習慣をつけて

 薬膳と聞くと、「特別な材料や知識が必要」というイメージを抱く人も多いのでは? しかし、薬日本堂の漢方スクールで講師を務める劉梅(りゅうめい)さんによると、薬膳の基本は、「食べ物が本来持つ効能を引き出し、体を整える」もの。専用の食材をそろえなくても、薬膳を生活に取り入れることは可能だそう。

 「中国では古くから『薬食同源』といい、薬も食も『食べ物』と捉えてきました。そのなかで、どの食材にどんな効能があるのか、人々は経験的に学んできた。そうした統計に基づくものが、薬膳の基本となっています」

 体質や体調、症状、季節に応じた食べ物を取り入れるのが、薬膳の考え方。適切に選ぶためには、「自分の体調の変化に敏感になる」ことが大切だ。

 「そのために取り入れてほしいのが、毎朝鏡を見て自分を『観察』する習慣をつけること。すると、『いつもよりむくんでいるな』『顔色が悪いな』『化粧のノリがよくない』など、ちょっとした変化にも、すぐに気が付くようになります。その上で、体調に応じた食材を取り入れると、不調にいち早く対処できます」

 寒く、乾燥しやすい冬の季節に積極的に取りたい食材は、体を温め、潤す効果の高い次の6種類。ただし、忘れてはいけないのは、薬膳はあくまでもサポートである、ということだ。

 「薬膳を取り入れても、それだけでは不調は治りません。健康を保つには、十分な睡眠と適度な運動、規則正しい生活が前提。本気で体調を改善したいなら、何か1つに頼るのでなく、生活を見直すことも必要です」