毎日がうまくいく借金玉流の解決法

 「他の人は当たり前のようにできるのに、私にはなぜかできない……」。そんな6つのお悩みごとに、借金玉さんが生み出した解決法を紹介します。

1. 仕事の書類が整理できない人は…「バインダーもりもり作戦」

<こんなお悩みに>
□仕事の書類が整理できない!
□別の案件が混ざって紛失も

解決法は→全部「見える」状態での収納がオススメ!
「以前の私は重要書類をなくす名人。仕事で多くの案件を同時に抱えていると、膨大な書類を管理できませんでした」。それを解決したのが、「案件ごとに1つのバインダーに書類をまとめる」というテクニックだ。ファイリングするのと比べて、バインダーに挟むだけなら手間がかからない。

 「クリアファイルだとそれごと行方不明になることもあるが、バインダーはさすがになくさないし、複数の案件が混ざらない。挟んだ書類も一覧しやすいんです」。複数の案件がある場合は、すべてのバインダーを常に持ち歩けば忘れ物もない。薄いバインダーでは挟める書類も少なく折れやすいので、頑丈なバインダーがいいという。

2. すぐに心を病む人は…「スケジュールにまず休日を入れる」

<こんなお悩みに>
□すぐに心を病む

解決法は→スケジュールにまず休日を入れる。ホテルに「外こもり」もオススメ
スケジュール帳に最優先で記入すべきなのは『休養』。その日は絶対に何もせず、仕事のことも考えず休みに徹するという『タスク』を課すのです。できれば月に3日以上

 休日も、休み明けに積み残した課題が気になって全く心が休まらずに終わりがちなのが発達障害者。「休むのが仕事」という意識を持てば気が休まりやすく、また手軽に達成感を得られるという。家にいると雑事が気になるなら、「近所のホテルにこもるのもオススメです」

3. 生活用品がゴチャゴチャな人は…「すべて1つの箱に放り込む」

<こんなお悩みに>
□文具も生活用品もゴチャゴチャ
□散らかった場所で集中できない

解決法は→すべて「1つの箱」に放り込む。モノは「ここになければない」状態に
家でも職場でも整理が苦手な借金玉さん。なのに「散らかっているとストレスを感じるのだから始末が悪い」。解決策は、行き場のないモノは全部1つの箱に放り込むこと。これで作業スペースや床はスッキリする。箱の中は混沌とするが、「この箱になければ他の場所にはない、と分かっていれば安心はできる」

4. 勉強が継続できない人は…毎日少しずつコストをかけて勉強への「依存状態」をつくる

<こんなお悩みに>
□勉強しようとしても全く継続できない

解決法は→自分の依存しやすさを逆手に取り、毎日少しずつ勉強への「依存状態」をつくる
勉強などの継続は極めて苦手だという借金玉さん。そんな彼が長期的なタスクをやり遂げるのに編み出したのが「依存する」ワザだ。

 「私はパチンコなどに依存しやすいのですが、これを逆手に取ります。パチンコがやめられない最大の要因は『今までに投じたお金がもったいない』という感情。同様に、無理やりでも毎日少しずつ時間やお金をかけていくと、ある段階から『このタスクをやめるのがもったいない』という感情が生まれます

5. 余計な思考で夜寝付けない人は…「蒸気アイマスク」で五感を断つ

<こんなお悩みに>
□余計な思考が頭をぐるぐるして夜も全く寝つけない!

解決法は→「蒸気アイマスク」で五感を断つ

 「余計なことに集中し続けてしまって、眠ることもできなくなりがちなのが我々のような発達障害者」。その対策に有効なのが「蒸気アイマスク」と「ヘッドホン」だという。「視覚や聴覚を遮断し、同時に身体的快感を得ることで、余計な集中を断ち切りやすいのです」

6. ベッドの1m先にペットボトルを置く

<こんなお悩みに>
□朝は全く起きられない

解決法は→ベッドの1m先にペットボトルを置く
「『朝起きる』というタスクには大きな苦痛が伴う」という借金玉さん。しかし「起きる」のではなく「ベッドの近くに置いた飲み物を飲む」という簡単なタスクにするとうまくいくと言う。ベッドに近いが、寝たままでは手の届かない場所にペットボトルを置くのがコツ。

借金玉
33歳・男性
借金玉 ADHD(注意欠陥、多動障害)の診断あり。新卒で入った銀行では仕事が全くできずに逃げ、紆余(うよ)曲折を経て今は文筆業や営業マンとして生計を立てる。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)、『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)。

取材・文/臼田正彦(日経WOMAN編集部)