客観的に自分を見つめ直す失敗振り返りノート

 事実と原因、対策に分けて書き、それぞれの項目を深掘りしていく。「自問自答を続けることで冷静さを取り戻せ、具体的な改善策を導き出せます」

 3月7日にプレゼンに遅刻してしまった失敗を例に、ノートの書き方を見ていこう。5段階に分けて書いていく。

【失敗例】3月7日(木) 大事なプレゼンに遅刻した。

【書き方のポイント1】
⇒まず、起こった事実とその結果を書く
 失敗を、事実と結果に分けて書く。「誰が、いつ、どこで、何を、どのように」を意識すると書きやすい。

◆事実と結果…プレゼンに失敗し、上司に叱られた。会社にも取引先にも迷惑をかけた。

【書き方のポイント2】
⇒自分と相手の感情を書く
 相手の感情は想像で構わないので書き出す。「相手の思いを書くことで、失敗を客観視でき、改善策が導きやすくなります」

◆自分の思い…悔しいし、つらい。叱られて恥ずかしいし、悲しい。
◆相手の思い…苛立(いらだ)ちや失望、怒りを感じているに違いない。

【書き方のポイント3】
⇒「なぜ?」を2回以上繰り返し、原因を書く
 「失敗は、1つのことだけが原因でない場合が多い。なぜ? と自問自答を繰り返すことで、本当の原因にたどり着けます」

◆なぜ遅刻した?…寝坊して、家を出るのが遅れた。
◆なぜ寝坊した?…前日の夜にプレゼンの資料作りに手間取り、帰宅が遅くなった。
◆なぜ帰宅が遅くなった?…前日夕方の上司チェックでやり直しが発生した。
◆なぜ寝るのが遅くなった?…帰宅後もプレゼンに着ていく服を迷い、寝るのが遅くなった。誠実な印象を与えて好感度を上げたかった。
◆なぜ起きられなかった?…緊張して朝3時まで眠れなかった。準備できていないことがあるのでは? と気になった。

【書き方のポイント4】
⇒同じ失敗を繰り返さないための改善策を書き出す
 原因ごとに改善策を書く。「いつどんな形でもチャンスが来たら、リカバリーできるように具体的に決めておきましょう」

◆もっと早くからプレゼンの準備をすればよかった
…今回2週間で足りなかったから、次回は3週間以上前から着手してみよう。
…プレゼンの上司チェックは3日前にしよう。

◆もっと早くから印象度を上げる服装を選んでおけばよかった
…プレゼン用の定番服を決める。

◆きちんと寝ることも仕事のうち
…大事な仕事の前日は6時間以上寝る。

【書き方のポイント5】
⇒次の日からできることを書く
 「次の日は、ゼロから始まる新しい1日。すぐにできる小さな改善策を毎日達成すれば、同じ失敗を繰り返さない新たな自分になれます」

◆明日8日(金)はどうする?
…改めて上司に誠実に謝る。笑顔で挨拶する。
◆来週11日(月)はどうする?
…今抱えている仕事について、逆算してスケジュールを組んでみる。
…睡眠時間を確保するため、定時退社を目指す。


北山節子
接客アドバイザー
北山節子 1968年生まれ。短大卒業後、オンワード樫山に入社し、百貨店での店舗売り上げを日本一に導く。現在は接客やコミュニケーションのアドバイザーとして、講演や店頭指導を行う。著書に『「感じのいい人」の気配り術—今日から実践できる100のヒント』(光文社知恵の森文庫)、『接客販売入門』(日経文庫)など。

取材・文/岡本藍(日経クロステック編集)

日経WOMAN2019年4月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります