失敗から学んだ強いチームづくり 7のルール

1. 伝えたいことは結論だけではなく理由まで話す

経緯や理由を省いて、結論や伝えたいことだけを発する癖があり、メディアやメンバーに真意が伝わらず、誤解を招いた経験も。「それ以降、省かずに論理的に話すように心がけています」

2. 「そだねー」で相手を受け入れてから自分の意見を言う

カナダ人のコーチから、日本選手はネガティブ発言が多いと言われ、ポジティブワードを意識的に使うように。「『そだねー』と一旦相手を受け入れ、意見を伝えれば、ギスギスしません」

3. チームの輪が壊れるのを恐れて、意見を言うことを省かない

チームの輪を乱すと五輪に間に合わない、自分のポジションがなくなるという恐怖心から、意見が言えなかった時期も。「意見を言い合えないチームでは結果が出ない、と痛感しました」

4. ひとりひとりに得意な役割を与えて、コミュニケーションを増やす

雑務はすべて本橋さんが担当していたが、鈴木夕湖選手が「自分は数字に強い」と会計担当に立候補。メンバー個々の強みが生きる役割を与えると、おのずとコミュニケションが増えた。

5. 相手を動かそうと思うのではなく、相手が動くのを待つ

「人を動かしたいときは、主張する分、相手の意見を聞き、相手の立場に立って考えます。時には相手が動くのを待って、経験して学ばせることも大切。3歳の息子の育児から学びました」(笑)

6. 相手に求める前に、自分でできることを考えて実行する

「夫に『君は相手に求める言葉しか出ていないよ』と言われ、ハッとしたんです。何かを求める前に、柔軟に対応すれば自分にもできることがある。自分が変われば現状も変わります」

7. カーリングだけが人生ではないという意識を常に持つ

「女性としての人生を大切にし、カーリングに真剣に取り組みなさいとコーチに言われ、いつまでにどうなりたいかと考えるように。引退後も仲間がカーリングに携われる環境を整備中」

取材・文/高島三幸 写真/吉田サトル(ポートレート)、森清(競技中)