「しないことリスト」は3ステップで完成

 あなたが「すべきでないこと」は、自分が心から望む生き方を明確にした上で、現在の日々の習慣と照らし合わせることで決まるもの。毎日作るリストではないので、一度時間を割いて、じっくりと自分と向き合い、作ってみよう。

STEP1・TO DOリストを書き出す

 現在、習慣的にしていることを、典型的な1日や1週間の流れを思い起こしながら、書き出していく。また、これからやるべきこと、やりたいことも、思いつくままに書き出してみて。

(例)
□ エクセルで商品の売れ行きを分析する
□ 新商品PRのために公式SNSを立ち上げる
□ 新しい経理システムの導入を部長に提案する
□ 中国支社帰りの木村さんとランチ
□ 大学時代のサークル仲間との月1飲み会
□ 週1で家の水回りをピカピカにする
□ プチプラで今季のトレンドの服を探す
□ 気になっていた心理学の講座に通う

STEP2・「インパクト」と「学び」のマトリクスに仕分ける

 STEP1で書き出した項目を以下の4ゾーンに仕分ける。「インパクトが大きい」とは、社会や自分の人生にとって価値が大きく、幸福につながること。「学びが大きい」とは、「インパクト」ある行動をするために必要なスキルや知識を身に付けられること。

「インパクト」と「学び」のマトリクス

◆ゾーンA
インパクトが大きく、学びも大きいこと
⇒最優先ですべきこと。これらに費やす時間を確保する

□新商品PRのために公式SNSを立ち上げる
□新しい経理システムの導入を部長に提案する

◆ゾーンB
インパクトは小さいが、学びは大きいこと
⇒インパクトが小さいのはスキル不足のせい。いずれAになるよう、スキルを磨く

□中国支社帰りの木村さんとランチ
□気になっていた心理学の講座に通う

◆ゾーンC
インパクトは大きいが、学びは小さいこと
⇒自分がやる必要はない可能性も。誰かに引き継ぐ方法を考える

□エクセルで商品の売れ行きを分析する
□週1で家の水回りをピカピカにする

◆ゾーンD
インパクトが小さく、学びも小さいこと
⇒極力やるべきではないこと。「しない」「時間を減らす」道を考える

□大学時代のサークル仲間との月1飲み会
□プチプラで今季のトレンドの服を探す

STEP3・「しないこと」を決める

 ゾーンDに仕分けられたものが、あなたが今すべきでない、最優先項目。また、ゾーンCに仕分けられたもののなかで、かかる時間や負担の大きいものは、自分以外の誰かに担ってもらう方法を具体的に考えてみよう。

◆ゾーンCの項目を精査
⇒プロにお金を払い、時間を買うのも手

 仕事を誰かに引き継いでもらうには、「まずはお願いしてみること。それすらしていない人が多い」。お願いできる人がいない家事などはプロに依頼する手も。「お金がかかっても、すべきことに集中できるようになれば、結果的に自分の市場価値が上がります」

◆ゾーンDの項目を精査
⇒利害関係者の意向も確認しつつ「しない」を決める

 自分にとって「インパクトが小さく、学びも小さい」ことでも、「周囲の人にとっては重要なことである場合、あなたが“しない”ことで、人間関係に深刻な亀裂が生じてしまう危険も。相手の意向も確認しながら、合意点を見つけてください」

仕分けたらDだらけ…という人は

⇒意識と戦略次第で誰もがインパクトある行動ができる

 「仕分けてみたらゾーンDばかり。自分には社会にインパクトをもたらす行動などできない」と思っていないだろうか。

 「そう感じるのは、自分がしていることの価値を認識できていないから」。例えば、同じ事務仕事でも、ただの「伝票処理」と捉える人と、「お金の流れを整え、会社を動かしている」と捉える人がいる。

 「上や前に立つばかりがリーダーではない。後ろから人を支えるのもリーダーシップ。仕事でも日々の行動でも、自分が社長や決定者であるという意識を持ち、戦略的に動いて」

取材・文/相良朋(日経WOMAN編集部) 写真/洞澤佐智子

日経WOMAN2019年5月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります