しないことリストに真っ先に挙げるべきは、「うじうじと悩むこと」かもしれない。ユーチューブで、働く人々を鼓舞するポジティブメッセージを発信するクリス・モンセンさんが、「悩まずにすぐやる人になる」ための具体策をレクチャーしてくれた。

断る力と実行力がハッピーに生きる鍵

 登録者数26万人の人気ユーチューブチャンネル『クリスの部屋』を運営するクリス・モンセンさん。エネルギッシュな言葉で自由な働き方を提唱するクリスさんだが、実は20代の頃、自分を犠牲にするブラックな働き方で、つらい思いをした経験が。

クリス・モンセンさん
1980年日本生まれ。米国人の父と日米ハーフの母を持つカナダ人クオーター。12歳でニューヨークへ移住。高校卒業後、ネイティブアメリカンに自然との共生を学ぶ。25歳で日本に戻り、テンプル大学ジャパンキャンパス卒業。映像制作やコンサルティング業で起業し、ユーチューブでの配信を開始。オンラインプログラムによるライフコーチングも手がける。

 「朝から夜中まで働きづめで、クライアントの要望にはすべて『YES』。自分を犠牲にして働くことが当たり前だと考えていたんだ」

 しかし、「自分を一番大切にした生き方をしよう」と決意し、勇気を出して「断ること」を始めたら人生が好転し始めた。「『しない』を決めることで、僕が本当にやるべきことに集中できるようになったよ」

 自分らしく生きるために、断る力と同時に必要なのが実行力。とはいえ、なかなか行動に移せずにいる人も多いだろう。そんなうじうじと悩む時間をなくす効果的なメソッドを、クリスさんが2つ教えてくれた。

 「『5秒の法則』は人間の脳の特性を逆手に取って、行動力を劇的にアップさせる方法。即効性があるよ。5秒の法則で太刀打ちできないような人生の大問題には、『3カ月プラン』を試してみて。多くの問題は3カ月間真剣に取り組めば、きっと解決に向かうはずだよ」

クリスさんってどんな人?

Q.
豊富な知識はどうやって学んだ?

A.
「自己啓発や経営者の本が大好き! 20代の頃から、毎日1時間はインプットの時間をつくるようにしているよ。今、一番興味があるのは、恐怖や不安、ストレスにどう立ち向かって夢を実現していくかというテーマだね」

Q.
強く影響を受けた人物は?

A.
「怖いものに向き合う大切さを学んだのは、元米海軍特殊部隊のデイビッド・ゴギンズ。日本人では斎藤一人さん。『お金持ちになるには他人の幸せを喜ぶこと』と、心の在り方を説いている点が素晴らしいね」

Q.
なぜ日本語ペラペラ?

A.
「母親が日米ハーフで僕も25%は日本人。祖父が日本で起業し、一家で会社経営をしている関係で12歳まで日本の学校に通っていたんだ。25歳で帰国し、今年で14年目。人生の半分以上は日本に住んでいることになるよ」

Q.
どうしてユーチューバーに?

A.
「実は、初めは日本文化を外国人に紹介するチャンネルを運営していたけれど、僕自身が自分を犠牲にするつらい働き方をし、そうした経験や学びから『好きなことで自由に働く』というメッセージを伝えるようになったんだ」