「気づき」を書くことが重要

 現在もオン・オフ問わず、時には食事中にも気づいたことをメモするという前田さん。メモはアイデアを生み出すツールになるだけでなく、「夢をかなえるためにも役立つ」と話す。

 「なんとなく心にある夢や目標が、書き出すことで明確になる。次にやるべきことが分かり、実現に向けて一歩踏み出すことができるんです」

 効果的にメモを使うために重要なのは、単なる事実を書いて終わらせず、自分の「気づき」を書くこと。客観的な事実に対して、「なぜそうなったのか」「次にどう生かせるか」を考えることで、思考が深まる。

 「『友達と長電話して楽しかった』『誰かのひと言がうれしかった』など、心が動いたことならなんでもいいんです。そこを深掘りすることで、自分はどんなときに幸せや悲しみを感じる人間なのかが分かります」

 自分を知るには次のページで紹介する設問による問いかけも効果的。ではなぜ、自分を知ることが大切なのだろうか。

 「僕が皆さんに自己分析をおすすめするのは、『時間の使い方』について考えてほしいからなんです。自分が好きなことを知って、未来の行動に反映させることで、充実した時間を過ごせるようになります」

 また、自分の個性の発見につながるとも。「人に、自分はどんな人間かを言葉で説明する。その『自分を説明する言葉の重なり』こそが、個性だと思うんです。ところが、『私はこういう人です』と言語化できる人は、実はそう多くない。書いて自己分析することで、ぜひ自分を伝える言葉のストックをつくってほしいんです

 心の動きを書き留めることで、退屈な毎日に「うれしい」「悔しい」などの感情が乗り、彩り豊かなものに見えてくる。

 「人生は楽しい、と気づけば、毎日を愛いとおしく思えるし、未来にワクワクする。そうした気持ちの変化が、人生の満足度を高めてくれると信じています」