若宮さんのITスキル学びの歴史

◆60〜64歳:パソコンとネットの使い方を学ぶ

 60歳のとき、ネット上で活動していたシニアのグループに参加したくてパソコンを購入。キーボードの使い方も分からなかったが、毎週末、パソコンショップに通って、店員に教えてもらいながら使い方を習得。お目当てのグループに参加してからは、ネット上の知人からホームページの作り方や、旅行記の公開方法などを学ぶ。

【学んだITスキル】
パソコン基本操作/インターネット接続/ホームページ制作/パソコン自作

【パソコン購入エピソード】
知識ゼロでパソコンを購入。ショップに通い詰め、店員に教えてもらいながら3カ月間かけてネット接続に成功。ネット人脈が広がっていった。

【ホームページ開設】
若宮さんは、自分のホームページを開設。ブログやフェイスブックがない当時、情報発信するにはホームページを作るしかない。ソフトを独習して、自力で作り上げた。

◆65〜74歳:ソフトを使って作品作りに熱中!

 同世代の知人に頼まれてパソコン教室を自宅で開催。「Excelに興味を持てない」という参加者のため、セルの装飾機能で模様を作る「Excelアート」を考案。この頃、いろいろなアプリとネットサービスを使いこなし、作品をネットで公開する。シニア代表としてIT関連のシンポジウムで講演するためにPowerPointも習得。

【学んだITスキル】
Excel教材の考案/パソコンアニメ制作/YouTubeで動画公開/PowerPointの使い方

【パソコンを教え、教材を考案】
 若宮さんは、パソコンを人に教え始める。同世代向けのパソコン教室を自宅で開催。外部のシニア向け講習会でも講師を務めるようになる。

 そして、シニア向け教材としてExcelアートを考案。Excelのマス目で模様を作り、うちわや紙袋を作る。これがマイクロソフトの担当者の目に留まり、「TED×Tokyo」のスピーチにつながる。

Excelアートによる紙袋やうちわ。シニア向け講習会の様子とTED×Tokyoスピーチの様子
Excelアートによる紙袋やうちわ。シニア向け講習会の様子とTED×Tokyoスピーチの様子

◆75〜82歳:アプリのプログラミングを学ぶ

 マイクロソフト主催の東北復興支援イベントに参加。このときに知り合った東北のIT企業社長の勧めで、シニアが楽しめるiPhoneアプリの開発を決意。Macintosh本体と教科書を買い込み、教科書の著者にメールで教えを請いつつ、背中を押したIT企業社長からもネット経由で指導を受けながら、半年でアプリを完成。

【学んだITスキル】
Ustreamを使った動画中継/Macintoshの操作/アプリのプログラミング/3D製図用ソフトの使い方

【プログラミングを勉強しアプリを開発】
 周囲のサポートでプログラミングを勉強した若宮さん。プログラミングの教科書を4〜5冊買ってきて独習した。著者にメールで連絡を取って指導も受けた。

 皆のサポートで、iPhoneアプリ「hinadan」を開発。ひな人形をひな壇に正しく並べるというゲームだ。もともとは、シニアグループのひな祭りイベント向けに作った。

左は、独習で使用したプログラミングの教科書。右は、若宮さんが開発したiPhoneアプリ「hinadan」の画面
左は、独習で使用したプログラミングの教科書。右は、若宮さんが開発したiPhoneアプリ「hinadan」の画面

◆今:子供に教えるために学んでいます!

 今、若宮さんが学んでいるのは、子供にプログラミングを教えるための電子工作。

ランプの点滅などをプログラムで制御できる「IchigoJam」という、子供向けマイコンを使った教育活動で先生役をしている
ランプの点滅などをプログラムで制御できる「IchigoJam」という、子供向けマイコンを使った教育活動で先生役をしている

 キーボードとテレビをつないで使う基盤型のコンピューターで、プログラムを組むと指示通りに画面に絵を描いたり、ランプを光らせたりできる。所属団体が国のプロジェクトの協力団体になっており、あちこちで開催される教室でプログラミングを教えている。

「カラフルな教材と、講師が高齢女性(若宮さん)のためか、女の子がとても多いの。この間は参加者全員女の子でした」
「カラフルな教材と、講師が高齢女性(若宮さん)のためか、女の子がとても多いの。この間は参加者全員女の子でした」

取材・文/本間健司(日経マネー編集部) 写真/小野さやか

日経WOMAN2018年10月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります