時間がない。集中できない。せっかく読んだ本の内容が思い出せない…。「読書をしたほうがいい」とは思っているのに、自分に合う方法が見つからなくて悩んでいるビジネスパーソンは多いはず。この連載では国語講師の吉田裕子さんが、誰でも簡単に実践できる「頑張らない読書術」を伝授! 第2回は、電子書籍と紙の本、それぞれの魅力と活用法を解説します。

電子書籍で読書のハードルを下げる

 読書を生活に組み込むコツは、本を読むことのハードルをできるだけ下げること。ちょっと時間が空いたとき、すぐに読み始められるように、いつも手の届くところに本がある環境が理想です。そこで、活用したいのが「電子書籍」です。

 私は『明日の自分が確実に変わる 10分読書』(集英社)など、読書に関する本を書いているからか、よく次のような質問を受けます。

 「吉田さんは紙派ですか? 電子派ですか?」

 紙の本か、電子書籍か。それぞれにアツい主張のあるところですが、私は「どっちも派」と答えています。

 今、私のKindle(電子書籍アプリ)には1028冊が登録されています。紙の本はおそらくその数倍持っている(怖くて数えていない)のですが、ここ2、3年に限れば、購入している数は、電子と紙で半々に近づきつつあります。

 電車やバスの移動時間、一人で外食するときの料理が来るまでの時間、半身浴の時間――そうしたこま切れの時間にはたいてい、スマートフォンのKindleアプリで何かしら読むようになりました。自分でも、電子書籍を積極的に活用しているほうだと思います。