時間がない。集中できない。せっかく読んだ本の内容が思い出せない…。「読書をしたほうがいい」とは思っているのに、自分に合う方法が見つからなくて悩んでいるビジネスパーソンは多いはず。この連載では国語講師の吉田裕子さんが、誰でも簡単に実践できる「頑張らない読書術」を伝授! 第3回は、本との出合い方について解説します。

図書館の「返却本」コーナーが狙い目

 読書を継続するコツは「Enjoy uncertainty(不確実性を楽しむ)」。かつてiPod shuffleのキャッチコピーとして使われていた言葉ですが、uncertaintyを意識して本選びに取り入れることが、読書を楽しみ続け、自分の成長につなげる秘訣なのです。

 自分の好みだけで本を選んでいると、同じ作家や似たような系統の本に偏りがち。「自分では選ばない本」をあえて読んでみる。そんな不確実性=偶然性を取り入れた読書をすることで、視野や興味が広がり、読書の楽しみも広がります。

 たとえば、私は図書館に行くと、「本日返却された本」のコーナーをのぞくようにしています。このコーナー、「誰かが最近、興味を持って借りた本」が並んでいるわけで、おもしろい本である確率が高いのです。

 古い本も新しい本もあり、専門的な本も大衆的な本もある図書館。老若男女、幅広い人が利用している施設なので、自分では選ばない本との偶然の出合いを楽しめます。